20160111_公務員の給与について

 

1.公務員の「給料表」

 

 給与計算の実務者にとって、公務員の「給料表」はとても便利で、筆者もたいへん重宝にさせていただいています。(参考 http://www.jinji.go.jp/kankoku/h17/pdf/h18.4houkyuhyou.pdf 国家公務員給料表(人事院))

 

 上記給料表を一見して分かるように、給料表は「職種」ごとに設定され、横軸は「職務の級」として、職務の複雑・困難・責任の程度を給料に反映させ、縦軸は「号給」として、職務の経験に伴う習熟を給料に反映させる仕組みとなっています。

 

 「給与」とは上記の給料表で定められる「給料(いわゆる「本給」)」に、「諸手当」を加えた概念であり(給与=給料+諸手当)、民間で言う「賞与(ボーナス)も、公務員の世界では「期末手当」と「勤勉手当」で構成される「諸手当」のひとつです。

 

2. 職務の複雑・困難・責任の程度に応じた等級と、経験に伴う習熟に応じた号給

 

 公務員の給与は、職種ごとに、上記の給料表が、職務の複雑・困難・責任の程度に応じた適正な等級と、経験に伴う習熟に応じた適正な号給が適用され、また、特別の負荷に応じた諸手当が適正に支給されているなら、まさに適正であるはずです。

 

 ところが現実には、職務の複雑・困難・責任の程度にかかわらず、単に年功的に等級の昇格が行われたり、号給の昇給が行われたりするのが普通であり、諸手当の中には、単に本給の水準の低さを補うための「こじつけ的な手当」がいくつも見られます。

 

 さらに問題なのは退職金で、これは退職時の給料(本給)の額に、在職年数に応じて複利的に逓増する倍率を乗じて算出する方式なので、たとえば退職年度に、「特別の昇格昇給」が行われることも現実にあります。

 

3.人事評価制度とその運用

 

 いわゆる「人事評価」も、既に導入されていますが、そもそも公務員にとって「成績」とは、いわゆる「遅れず、休まず」を評価するものであり、また「業績」という言葉はあるものの、その明確な定義が見当たりません。http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_d.html

 

 ・・・ 公務員の給与制度自体は、人事評価制度や退職金制度を除けばたいへん合理的で経済的であり、民間企業においてもこれを標準として大いに習うべきですが、その現実的運用には大いに問題があるように思えます。

 

 既に指摘したとおり、人事評価には「分布制限率」という概念がなく、昇格・昇給・賞与に「原資」という概念がなく、まるでそれらが何処からか「自然に湧いて出る」かのような運用が行われているように、少なくとも筆者には思えます。