20160201_モノではなくヒトである。

 

1.織田信長はヒューマニストであった?

 

 NHKの大河ドラマで、織田信長が、豊臣秀吉の背中に乗って「馬じゃ、馬じゃ」と得意になっているわが子を「馬ではない、人である。」と言って叱りつける場面があり、脚本家が描きたかった信長像が少し理解できるような気がしました。

 

 織田信長といえば比叡山延暦寺の焼き打ちなど、自分の意に従わない人々の命を平然と奪ってしまう人格のようにイメージしてしまいがちですが、実は国家統一の大事業に内心張り裂ける思いで臨んだヒューマニストであったのかも知れません。

 

2.「人」は「材」ではない。

 

 企業経営の資源を「ヒト、モノ、カネ」と言い、「人材育成」などと(たとえ「人財」と言い換えたとしてもなお)結局「人」をモノやカネ(材または財)と同列に扱う経営や人事の感覚は、実は「信長の思い」にさえ及ばないのではないかと思います。

 

 人事マネジメントの目的は、組織的協働により、効果的かつ効率的に企業の目的を達成し、価値を実現することですが、その対象はモノやカネではない、それらと決して同列ではない「ヒト」であり、その根幹には、確固たるヒューマニズムが貫徹すべきです。

 

3.人を非難・批判すべきでない。

 

 ヒト(人間)をモノやカネと同列に扱ってはならなず、全ての人間の尊厳と尊重=Respectは、あらゆる議論の前提です。否定や批判や非難に値することがあったとしても、それはヒトに対して行うべきでなく、そうした事実(モノ・コト)に対して行うべきです。

 

 信長は「モノではない、人である。」と言ってわが子を叱りましたが、ひょっとしたら同じようにして「人を言わず、モノとコトを言え」(人を批判したり非難したりせず、モノやコトを改めるようにせよ)と部下を叱った、かも知れません。