20160808_今人おおむね口に多忙を説く…

 

1.今人おおむね口に多忙を説く

 

 今人おおむね口に多忙を説く

 その為す所を視るに、実事を整頓するもの十に一二、

 閑事を料理するもの十に八、九、

 

 又閑事を認めて以って実事と為す。

 宜(むべ)なりその多忙なるや

 志有る者、誤りてこの窠(か)を踏むことなかれ。

 

 上記は「佐藤一斎一日一語」(致知出版社)からの引用です。「忙しい」と言う言い訳をするときほど、ものごとの本質も緩急軽重もわきまえず、どうでもいいことや無駄なこと(閑事)に時間を費し、肝心なこと(実事)を後回しにしてしまいがちです。

 

2.「忙しい」というのは「言い訳」または「言い逃れ」…

 

 あるいはまた、常日頃からの準備や勉強を怠り、「どうありたいか」という目標状態に達するために逆算して得られる「なにをすべきか」に思い及ばず、行い至らず、学校時代の一夜漬けの習慣から未だに脱しえないこともあります。

  

 せっかく「段取り八分」という言葉があるのに、自分の仕事を「どうしたいか」という「思想」も「設計」もなく、仕事の目的や相手先への「配慮」も「想像」も欠き、仕事をただの作業としてそこに自分自身を埋没させてしまう場合もあります。

 

 誰でも常に一日は24時間しかありません。時間は「有るか無いか」ではなく「どう使うか」です。「忙しい」という言葉は、閑事(やらなくても良いこと)をしない口実にしても良いが、実事(やるべきこと)を怠る言い訳にしてはならない、と筆者は自戒します。

 

3.「忙しい」とはどういうことか

 

 「今ちょっと忙しいから・・・」という言葉は、多忙な母親が子供に言うような言葉であり、うるさい相手を一時的に遠ざける便法のような言葉ですが、意外に仕事のやりとりの中で頻繁に使われているような気もします。

 

 誰でも同時に複数の仕事を抱えているのは当たり前で、それらを上手く処理するには、それぞれの仕事の重要度・緊急度・難易度を軸に優先順位を決め、「タイムシェアリングシステム」よろしく自分の時間と能力をそれぞれの仕事に割り振っていけばよいはずです。

 

 ですから「今ちょっと忙しいから・・・」と無用の雑事を遠ざけるならまだしも、「忙しい」という言い訳をして、本来行うべき仕事を疎かにするようでは、仕事の自己管理(Management)が出来ていないと言わざるを得ません。 

 

4.仕事が早い人はなぜ仕事が早いか?

 

① 早いほうにタイミングを合わせているだけ。

 … 仕事の処理能力が何倍も速いわけでは必ずしもなく、とりかかるタイミングが早いから完了するタイミングが早いだけ。

 

② 要するに何が大事かを選んでいるだけ。

 … 非本質的なこと、枝葉末節のこと、重要性も緊急性も低いことを諦めており、捨てている。要するに何が目的であり、価値であるかを考えて行動する。

 

③ 実は「常に(既に)仕事をしている」だけ。

 

 …「~してから」「~してから」という積算で仕事をするのではなく、「~のためには」「~のためには」という逆算で仕事をしているから、実は、既に(いつも)仕事をしている。