20160911_働きがいと働きやすさ

 

1.介護労働者における働きがいと働きやすさ

 

 平成27年度「介護労働者の就業実態と就業意識調査」によると、介護労働者が現在の仕事を選んだ理由は、 「働きがいのある仕事だから」52.2%、「資格・技能が活かせる」35.8%、「今後もニーズが高まる仕事だから」34.1%、「人や社会の役に立ちたい」31.8%でした。

 

 仕事の満足度については、「仕事の内容・やりがい」52.9%、「職場の人間関係・コミュニケーション」46.5%、「職場の環境」38.8%、「雇用の安定性」35.5%、「労働時間・休日等の労働条件」32.6%、「勤務体制」28.1%、「福利厚生」26.2%、(中略)「賃金」は19.7%でした。

 

 働く上での悩み・不安・不満等については、「人手が足りない」50.9%、「仕事内容のわりに賃金が低い」42.3%、「有給休暇が取りにくい」34.6%、「身体的負担が大きい」30.4%、「業務に対する社会的評価が低い」29.4%、「精神的にきつい」27.9%でした。

 

複数回答

公益財団法人介護労働安定センター

http://www.kaigo-center.or.jp/report/h27_chousa_01.html

 

 つまり、介護労働者の半数以上が「働きがい」を求めて現在の仕事を選び、また、半数以上が「働きがい」に満足していることが分かり、半数近くが「人手不足」や「賃金が低い」ことに悩み・不安・不満を持っている様子が分かります。

 

 つまり、同じく介護労働者の半数近くが「働きやすさ」を求めているというこであり、おそらく「働きがい」と「働きやすさ」を同時に実現することこそが、介護労働者の働く意欲や人間的・社会的な意義を高めることにつながるでしょう。

 

2.働きがい=動機付け要因、働きやすさ=衛生要因

 

 「労務に服して賃金(=健康で文化的な最低限の生活の糧)を得る」ことをベースに据えてプラスアルファを考えれるなら、働く人々なら誰しも「より豊かな生活」を望む以外には、「働きがい」と、「働きやすさ」を求めることでしょう。

 

 そして、「働きがい」とは、例えば介護労働者ならば、その仕事を通じて、施設の利用やその家族の喜びや幸福が同時に自分の喜びや幸福となるような状態を意味し、感謝や敬意や相応の報酬が得られることも「働きがい」につながるでしょう。

 

 また、「働きがい」には、例えば介護労働者ならば、その仕事を通じて、単に介護上の知識や技量の上達だけではなく、施設の利用者やその家族、また施設で働く仲間とのふれあいを通じて、自分自身が人間的にも成長することが含まれているはずです。

 

 一方、「働きやすさ」には、物理的な労働環境や制度的な労働条件のほか、職場でのコミュニケーションや人間関係の円満良好さなど、働く人々の働く意義と意欲を促進しこそすれ、決して阻害しない諸要素が含まれるでしょう。

 

 こうした「働きがい」と「働きやすさ」を同時に実現することは決して無理でも難題でもなく、「働く」ということの人間的・社会的意味や意義に照らせばごく「当たり前」のことであり、それこそが「人事マネジメント」が追及する目的や価値なのです。