1.新人に「即戦力」を強いてはならない!!
事件後に評論家のようなことを言いたくありませんが、ひとつ言えることは、ほとんど新人のような人に「即戦力」というような「美名」の下で仕事のアウトプットを強いるのはあまりに酷だということです。
2. 企業における新人向けの育成(研修)期間がどんどん短くなっている
「昔(の大企業?)は良かった」とも言いたくはありませんが、企業における新人向けの育成(研修)期間がどんどん短くなっているようです。参考:(産労総合研究所「2014年度新入社員教育の実態調査」
http://www.e-sanro.net/jinji/j_research/j_research05/pr1504/
3.採用後6ヶ月間は「試用期間」、それを含む採用後2年間は「育成期間」
「正規雇用」を標榜し、新卒者を「長期育成型」で採用・育成しようというなら、採用後6ヶ月間は「試用期間」とし、それを含む採用後2年間は「育成期間」として、仕事のアウトプットよりもインプットを多くすべきです。
4.新人に時間外勤務をさせてはいけない。
また、そもそも「右も左も分からない」新卒の新人に「時間外勤務」を命じるべきではありません。一定の育成期間をクリアしたのち、必要なら上司が個別具体的に行うのが当たり前です。
5. 「目標管理表」に代えて「自己申告表-観察育成表」を
いきなり「目標管理」や「人事評価」などの制度を適用せず(給与も昇給も賞与も一律定額で良く)、「目標管理表」に代えて下掲のような「自己申告表-観察育成表」を適用して、観察と育成を行うべきです。
<自己申告表と観察育成表の使用例>
① 目標管理制度や人事評価制度を適用する前に、新卒採用者なら採用後2年間は自己申告・観察育成制度の適用対象とすべきでしょう。
② 仕事の量や質に問題がある場合は仕事の調整が必要ですし、職場や仕事上の人間関係上の問題があれば何らかの介入が必要です。
③ 現在の職種や企業自体に能力上・適性上の不安を感じている場合にはカウンセリングが必要です。早期の転職支援も考えるべきでしょう。