20170311_稲盛和夫氏に学ぶこと~「利他」の精神~

 

1.企業家に必要な「利他」の精神

 

 資本主義の原理は基本的に「利己」だと思います。けれどもその資本主義社会で企業経営のトップリーダーのひとりである稲森和夫氏が、京セラや日本航空の経営を率いた自身の信念は、名実ともに徹底した「利他」であったと言います。

 

 一方で社会主義の原理は基本的に「利他(もしくは利共)」であるはずなのに、それを標榜する国家のリーダーの行状を伝え聞くところでは、どうひいき目に見ても「利己」にしか見えないのは、かえすがえすも残念なことです。

 

 いずれにしても「利他」の精神(信念と実践)は、トップリーダーの基本要件であると思います。それは決してトップリーダーに聖人君子を要求しているわけではなく、現実にそうでなければトップレベルのリーダーシップが成り立たないからです。

 

2.この世は「魂(人格)」の修行

 

 同氏はまた、「人間はこの世に魂の修行に来ただけ」という趣旨のことを述べられています。「生きる」ことの目的は、「より良く生きる」ことだと言う以外にないのでないか、それは「人間としての人格を高める(人間性を磨く)」以外にはないと、筆者も思います。

 

 たとえば高校野球の監督が「野球を通じて生徒の人間性を磨く」というのは、実は「精神主義」でも何でもなく、そうでなければ根本的に、輝かしい青春の日々を費やしてまで、あれほどの厳しい練習に耐えて生きる意味も目的も成り立たないと思います。

 

 「はたらく」ことは「生きる」ことと同じで、資本主義であれ社会主義であれ、それを「労務に服して賃金を得る」レベルから「人間的目的の達成や価値の実現」および「協働を通じた人間的成長」に高めないかぎり、その意味も目的も成り立たないように思います。

 

<この稿の参考文献>

「生き方―人間として一番大切なこと(サンマーク出版)」