1.部下のモチベーションを向上させることよりも低下させないこと
① 人が働く上で最も重要なモノは「モチベーション(働く意欲)」です。「モチベーション」こそ人事マネジメントの最も重要な課題であり、人や組織のモチベーションを高く維持することこそが上司や管理職の最も重要な機能です。
② 現実には部下のモチベーションを挫く原因となる人たちの「ワースト1」は、おそらく「上司」だろうと思います。(逆にモチベーションを高める人たちの「ベスト1」は、おそらく「上司」よりも「顧客」ではないでしょうか?)
③ 部下のモチベーションを挫く上司のビヘイビア(言動や態度)を、以下思いつくままに以下に列挙してみます。上司が部下のモチベーションの向上を考える前に、部下のモチベーションを低下させていないかどうか…。
2.部下のモチベーションを挫く上司のビヘイビア
□ モノを知らない。
何が法であるかさえ知らずに法を語ることはできない。「知らずに(知ろうとする努力さえせずに)語る」上司は部下に愛想を尽かされる。
□ 考えがない。
モノゴトを知っているとしても「どう考えるか」「どうすべきか」を自分の言葉で語れない上司には幻滅しか感じない。
□ 共感を欠く。
「下事に通じずとも下情に通じる」上司でいたい。部下がどんな「気持ち」で働いているかを感じとり、慮ることができない上司はただ疎んじられる。
□ 現場を知らない。
知ったかぶりの「一般論」や「べき論」では現場の仕事は動かない。部下が現場で実際に何に困ってどんな苦労や努力をしているかを知るべき。
□ リスペクトが無い。
部下が感情、考え、行い、発言、立場、事情、その他部下の人格的要素への尊重や配慮が上司のビヘイビアから伝わらなければならない。
□ 言うだけでやらない。
上司の仕事は「判断」と「責任」であり、自ら「実行」すべきこともあります。これらに欠け、「割り振る」だけの上司は部下の信頼も意欲も失う。
□ リテラシーが低い。
例えば「ITリテラシー」が低く、電子メールひとつ仕事でまともに使いこなせないような上司は部下の足手まといになるだけ。
<追記事項>知識より見識
① 上司が部下より物知りでも、部下が上司より物知りでもかまいませんが、上司には経験に裏打ちされた見識が必要です。上司は部下から最新の知識や情報を引き出す「聴き上手」であることが必要です。
②「何もかも自分でやったほうが良い」と思ってそうしている上司は残念なが上司失格です。「人と組織を通じて成果を出し続ける」ことが組織管理職の役割であり、「成果」には「部下の成長」を含みます。
<追記事項>部下が作ったルールを守りたくない上司
① 上司の立場で言えば「指示・命令に従う」のは部下のほうであって上司のほうではないという心境でしょう。では「規則・ルールに従う」のはどうでしょうか。「それは部下が作ったものだから従わない」という上司はいないはずです。
② ところが現実には「朕は国家なり」とまでは言わないまでも、部下が提案し、部下たちが遵守してる合理的な規則やルールに従おうとしない上司がいます。そんな上司がいくら部下に「組織」への動機付けを求めても無理です。