20171207_組織からの自由

 

1.組織とは何だろう。

 

 組織とは、共通の目的を達成し、共通の価値を実現しようとする人たちどうしの協働体です。当然ですが、組織構成員には、組織が達成しようとする目的や、組織が実現しようとする価値への自由な意思に基づくコミットメントが本来求められるはずです。

  

2.誰も、「組織に属する」こと自体が目的ではないはず。

 

 新卒者なら「**会社に入社する」ことが目的になっても良いかも知れませんが、一人前の職業人なら、企業の事業の目的や価値が、自分の職業の目的や価値と一致するかどうかが「組織に属する」際の判断基準になるはずです。

 

3.「労務に服して賃金を得る」レベルに留まる限り、自由にはなれない。

 

 新人からしばらくは、文字どおり「労務(指揮命令)に服して賃金を得る」ことが「組織で仕事をする」ということの実態であるかも知れませんが、そうしているかぎりたとえ別の組織に移っても決して「組織」から自由にはなれません。

 

4.遂行レベル⇒判断レベル⇒指導レベル⇒管理レベル⇒経営レベルへ成長するはず。

 

 しかしその中でも働く人は、個別具体的な指示を受けて業務を遂行するレベルから自らの判断に基づいて業務を遂行するレベル、さらにその判断が信頼を得て指導力や管理力を発揮し、さらには事業経営の立場に立つ、というパスを経て力を付けて行くはずです。

 

5.成長すればするほど組織とますます「対等の」関係に立てるはず。

 

 また同時にその「職業的専門性」を高めていくなら、その人はますます「労務(=組織)に服して賃金を得る」立場から離れて、やがては組織といわば「対等」の関係(パートナーシップ)に立てるはずです。

 

6.組織に残るのも自由、組織を去るのも自由。 

 

 但し上記のような専門性も、その組織の中でのみ通用するようでは話にならず、やはり対外的な通用力を常に検証しておく必要があり、組織外からの市場的評価がある程度得られてはじめて「組織からの自由」の推進力になるのでしょう。

 

7.組織から自由な人たちがつくる組織(自由な組織)の原理。

 

 以上のようにして「組織からの自由」を獲得した人たち同士の「組織」こそが、ドラッカーの言う(本来の意味での)「組織」だろうと、筆者は思います。共通の目的の達成や価値の実現のためにお互いの財力・知力・労力・信用を出資し合う「組織」です。

 

<自由な組織の原理>

 ① 共通の目的の達成や価値の実現のために財力・知力・労力・信用を出資し合う。

 ② 内部的には雇用関係(=指揮命令に服して賃金を得る関係)は存在しない。

 ③ 構成員どうしの関係は「パートナーシップ」である。

 ④ リーダーシップもマネジメントもやがてその役割を終えて消滅する。

 ⑤ 軍隊や学校や企業のような組織の原理とは異なる。(法的には「組合」に近い。)

 ⑥ もし「利益の分配」が必要なら「出資」の価値と効果に応分すべきだろう。

 

<追記事項>そもそも「組織」とは…

 

 法にいう「会社」の概念には、そもそも「雇用関係」は含まれていません。つまり「労務(指揮命令)に服して賃金を得る」人たちはもともと「会社」という組織の構成員としては想定されていないのです。

 

 ドラッカーの言う「組織」が、何となく現実感覚に合わないと感じるのは、ドラッカーの「組織」概念の中には、法にいう「会社」と同様に、「労務(指揮命令)に服して賃金を得る」人たちのことが含まれていないからかも知れません。