20171214_組織づくりの基本

 

1.組織づくりをする上で最も基本的で重要な事項

 

 組織づくりをする上で最も基本的で重要な事項は、組織が達成しようとする目的や実現しようとする価値を定義することだと思います。そしてその目的の達成や価値の実現を協働的に進めようとする人たちどうしが組織を立ち上げるのです。

 

 会議には何らかの目的事項があり、それは招集通知に記載されます。法人にも何らかの目的事項があり、それは定款の記載事項です。組織的に何かを始めようとするとき、何を目的事項とするか、何を実現価値とするかの定義は必須です。

 

2.組織的協働は構成員のコミットメントによって成り立つ

 

 組織構成員には、組織的協働を通じて組織の目的を達成し、組織の価値を実現するために「各々が何をするか」という「コミットメント」が求められます。それは財産や労力や信用等の「何を出資する(差し出す)か」ということと同義です。

 

 組織構成員が「何もコミットメントしない」ということはあり得ません。それでは組織が成り立ちません。財産や信用でも良く、知識や技術でも良い、何かを「出資し合う(差し出し合う)」からこそ組織が成り立つのです。

 

3.目的や価値へのコミットメントもない組織は組織ではない

 

① 法的な「会社」とは違い、一般的な「企業」は「労務に服して賃金を得る」多くの「従業員」から成り立っており、必ずしも全員がその企業の目的や価値を共有化し、その達成や実現にコミットしているわけではないのが現実でしょう。

 

② 「企業」の価値や目的は究極的には「経済的利益」に還元されるとしても、その「利益」は、社会的・人間的な目的を達成し、価値を実現してこそ得られるのでしょうから、「従業員」に目的や価値へのコミットメントを求めるのは間違いではありません。

 

③ 人事労務管理における「組織」に関する悩み事や困り事は、悩み事や困り事になっている対象の「組織(企業や職場)」が、1や2にいう「組織」になり切っていないという点にあるような気がします。

 

 ・ 例えばなぜ組織構成員の動機付けに悩んだり困ったりするのか?

 ・ 例えばなぜ組織構成員の育成に悩んだり困ったりするのか?

 ・ 例えばなぜ組織構成員の適性や能力に悩んだり困ったりするのか?

 ・ 例えばなぜ組織構成員の言動や態度に悩んだり困ったりするのか?

 ・ 例えばなぜ組織構成員のコミュニケーションに悩んだり困ったりするのか? 

 ・ 例えばなぜ組織構成員の協調性や協働性に悩んだり困ったりするのか? 

 

 組織を管理する上でそういう悩み事や困り事があるのは、1や2にいう「組織」が成り立っていないからではないでしょうか。構成員が「組織に属する(労務に服する)」以外にほとんど何もコミットメントしていないからではないでしょうか。

 

 多くの組織管理者の現実的な悩み事や困り事は、実は「組織が組織になっていない」「組織構成員が組織構成員になっていない」がゆえの悩み事や困り事(そういうレベルで悩み、困っている場合ではない)ではないかと筆者には思えます。

 

4.メンバーシップの底上げ

 

 世間では「リーダーシップ論」は盛んですが、「メンバーシップ論」はあまり耳にしません。しかし筆者は「リーダーシップよりメンバーシップが大事」だと信じます。「メンバーからより良くメンバーシップを引き出す」ことこそが組織運営の要点です。

 

 組織運営の必須要素としての「メンバーシップ」の内容は、本サイト内「仕事の仕方のAtoZ」記載のとおりです。ひと言でいうなら「他のメンバーにとって最適なINPUTとなるようにOUTPUTする」という仕事の仕方です。

 

5.MBO目標管理制度の本来的趣旨に沿った運用

 

ドラッカーは「組織」についてつぎのように記しています。

① 共通の目的と価値へのコミットメントを必要とし、

② 組織とその構成員が必要と機会に応じて成長し、適応し、

③ あらゆる種類の仕事をこなす異なる技能と知識をもつ人たちから成り、

④ 構成員は自ら成し遂げるべきことを他の構成員に受け入れてもらい、

⑤ 成果はつねに外部にあって測定・評価・改善されなければならない。