20180721_問題職員の問題は職場の問題

 

1.問題職員の何を問題とすべきか?

 

 社会的な未熟性やパーソナリティーの偏り、感情のもつれ、コミュニケーション上の障害、無視・無関心や非協力、能力や適性の不適合、それらへの自己認識の欠如…等々、いわゆる「問題職員」の「問題」はマネジメントの最大の悩みのひとつです。

 

 しかし我々が「問題職員」の「問題」を言うとき、その言葉は少しづつではあっても同時に自分たち自身のある一面を言っているような気がします。そもそも「職場」とは、少しづつ「問題」を抱えた人たちの集まりなのかも知れません。

 

 そうではあっても、家庭や教室でもない、何らかの目的を達成し、何らかの価値を実現するための組織協働体として「職場」を考えるなら、少なくとも「互いの尊厳や親和や協働に反する言動や態度の選択」は、マネジメントとして看過できないはずです。

 

2.問題の「自己認識」と「自己制御」、他のより良い「自己選択」を求める。

 

 「問題職員」への人格的要素への批判や否定を繰り返しても問題は解決しません。問題は「問題となる言動や態度およびその選択」であり、求めるべきは「それへの自己認識と自己制御」および他のよりよい言動や態度の「自己選択」への支援です。

   

① 相手や周囲の視点からの気付き

 □ 本人がどういう言動や態度、仕事の仕方を選択したかということへの気付き

 □ それが相手や周囲にどのように受け取られたかということへの気付き

 □ それが相手や周囲にどのような影響や結果を生じたかへの気付き

 

② 本人の視点からの気付き

 □ 本人の選択が、どのような状況で行われたかということへの気付き

 □ 本人選択が、どのような感情や思考に起因するものかへの気付き

 □ そうした状況や感情や思考のもとであっても他のより適切な選択への気付き

 

③ 指導より支援を通じたより良い自己選択への動機付け

 □ 本人がより適切な選択を自ら行うことへの期待と支援

 □ 改善の機会の付与

 □ 観察とフィードバック

 

3.職場の問題として

 

 本人の自己認識を促し、より良い選択を求めるというアプローチと同時に、その「問題」を「職場(自分たち)の問題」として捉え直すことも「解決」と「両立」のための有効なアプローチになる、というのが本稿の主旨です。

 

 つまり、「問題職員」とされる「本人(相手)」が「変わる」ことと同時に(場合によってはそれ以上に)「職場(自分たち)」が「変わる」ことを選ぶという、より現実的な選択肢の提案です。

 

 自分たちの職場がお互いにリスペクトし合っている職場か、コミュニケーションの促進要因が多く、阻害要因が少ない職場か、より良い仕事やより良い職場に向けて動機付けられているか、ということにこそ自己認識と自己制御が必要です。