<医師には「働き過ぎ改革」、看護職には「休み方改革」を >
1_少なくとも病棟勤務の看護職の典型的で原則的な「働き方」は「24時間365時 間の交替制勤務」です。(これに対して医師の場合、極端に言えば「24時間365日の 非交替制勤務」であることに本質的な問題があります。)
2_こうした典型的で原則的(かつ一般的)な働き方自体をそっくり「改革」すること無し には「働き方改革」が実現不能だとしたら、おそらく今後医療技術が革命的な省人化を 実現しないかぎり実現不可能です。
3_看護職の「退職に結びつきやすい不満」の中に「勤務(特に夜勤)がつらい」 「思うように休みが取れない」というものがありますが、そもそもこうした「不満」は看護職の「働き方」そのものを変革しないかぎり解決不能です。
4_より根本的な解決策のひとつは「医師や看護師を増やす」ことですが、それは 単に採用数を増やすことでなく、「退職数を減らす」(退職させてはいけない人に退職以外の『解』を選択してもらう)努力をするほうがより有効です。
5_看護職の退職率や、母性保護・子育支援にかかる不就業率、年次有給休暇の目標取得率等々を看護職の採用計画や配置計画や勤務予定に組み込むこ と、つまり看護職には「休み方改革」(計画的な休み方)が解決策のひとつです。
6_一方、医師には「働きすぎ改革」が必要です。どんな例外的な状況があっても医師に月 間100時間以上の時間外勤務をさせてはなりません。それを遵守するには、診療制限以外には、「医師の定着と確保」に努める以外にありません。
<追記事項:「働きすぎ」の生物学的考察>
「働きアリ」や「働きバチ」の世界にも「働きすぎ」があるのでしょうか…。生物の場合は「食う」ことと「働く」ことがほぼ同義であって、アリやハチは、決して「働きすぎ」=「食いすぎ」にはならないだろうと思います。
もしアリやハチが「働きすぎ」てしまったら、そのアリやハチやそのコロニーは滅んでしまうような気がします。「働きすぎ」が一番怖いのは、「働きすぎて働けなくなってしまう」ことだと思います。
<参考資料_1>「医師の勤務実態」_働き方改革検討会議資料より
<参考資料_2>年次有給休暇の取得日数と離職率の相関関係