20190408_組織と個人のマネジメント

1.組織管理の観点から個人を見ると…

 

 組織管理の観点から個人を見ると個々人は次のような情報処理のモデルとして見えるし、組織はその関係および総体として見えると思います。つまり個々人はひとつひとつのプロセスとして見えるし、組織はそのアウトプットとインプットの無数の連鎖として見える。

 

 インプット → 個人(プロセス) → アウトプット

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          経験や知識

 

 アウトプット/インプット → 個人(プロセス) → アウトプット/インプット

 

2.組織の効率とは…

 

① 個々人の能力や適性<個々人の意欲や動機付け

 

 もちろん、個々人の能力や適性は、個々人の仕事のアウトプットの量や質や効率の決定要素ではあるけれど、肝心のプロセスが機械ではなく人間であることから、むしろその意欲や動機付けが仕事のアウトプットの量や質や効率を大きく左右するように思います。

 

② 1+1<2 が組織の原理

 

 個々人の能力や適性が余すところなく発揮され、個々人のアウトプットが無駄なく生かされるならば、また個々人相互の関係に、なにひとつ重複も対立も無いなら、ようやくその場合に1+1=2という等式が成り立つものの、現実にはそうではありません。

  

③ 一方の最善のアウトプットが他方の最適なインプットであるとは限らない。

 

 組織的に協働する、ということは、言い換えれば「一方にとっての最善のアウトプットが他方にとっての最適なインプットになるような連鎖」が行われていることだと思うのですが、これもまた現実的にはそうではありません。

 

3.組織の効率を最大限に発揮するマネジメントとは…

 

 そうすると、組織の効率を最大限に発揮するマネジメントの勘どころ(着眼点もしくは圧力点)は、以下のように整理できると思います。

 

① 個々人の能力や適性の開発と同時に意欲や動機付けの向上に努めること。

 

 個々人が何によってどのように動機付けられるかは一元的ではありません。マズローは「自己実現に向けた自己成長」が最高の動機付け要因だと言いますが、現実には「自己肯定・自己保全・自己尊厳・自己有能・自己達成」感のほうが強いように思います。

 

 またそれぞれが「相互」への配慮なくそれぞれの「自己」のみを追い求める限り、相互のコンフリクトは避けがたく、組織の協働性はかえって損なわれるはずですので、「相互の尊厳と実現」に向けた方向付けと動機付けが必要です。

 

② 価値観や方法論の多元性を受容しつつその統合性を指向すること。

 

 組織が実現しようとする価値は必ずしも経済的な価値に限定されず、全てが数値化されるわけでも金銭化できるわけでもありません。軍隊のような一元性が求められるほどでもなく、国家のような多元性が求められるほどでもありません。

 

 組織として実現すべき価値を明示してその実現へのコミットメント(その実現のために「私は~します」という意思と実践と結果)を引き出すこと、効果的で効率的な方法論を提示してその遵守を求めることは最低限必要です。

 

③ 一方の最善のアウトプットが他方の最適なインプットとなるように仕事をすること。

 

 一方が「自己実現」の名の下に「最善」のアウトプットを出すことが、必ずしも他方の「自己実現」にとって「最適」のインプットになるとは限らず、組織的協働のためには「自己にとって最善」よりも「相手にとって最適」を指向すべきでしょう。

 

 筆者は常々「仕事の基本は正確・迅速・丁寧」だと提唱していますが、それらも「自己にとって最善」な「正確・迅速・丁寧」であるだけでは足りず、「相手にとって最適」な「正確・迅速・丁寧」であることを指導原理とすべきでしょう。