20190510_より本質的な「働き方改革」<1>

<日常的な「働き方」の改革>

 

1.その「働き方」はおかしくないですか?

 

 例1)ある総合病院の「課長補佐」さん。口ぐせは「わからない」「聞いてない」「指示がない」「決められない」です。「他律的な働き方」になっていませんか?

 例2)ある福祉施設の「事務主任」さん。言い訳は「私は公休だったので知りません」ですが、「働くことよりも休むことに動機付けらた働き方」になっていませんか?

 例3)ある社団法人の「専務理事」さん。法人として実現すべき価値を選択・判断し、それを構成員に指し示し、動機付けるという「働き方」をしていますか?

 

 たとえ営利企業でも、ただただ「利益」だけが唯一無二の目的でも価値でもないはずです。特に例えば「病院」という事業にとって実現すべき価値は、例えば「地域住民の健康と安心」であるはずです。

 

 同様にそこで働く人たちにとっても、ただただ「労務に服して賃金を得る」ことだけが唯一無二の目的でも価値でもないはずで、病院で働く「喜び」は、患者さんやその家族の「喜び」や病院が実現しようとする「価値」と共通であるはずです。

 

 「労務に服して賃金を得る」という根本をそのままにした「働き方改革」は、一面で「非自立的な(より依属的な)働き方」や「働くことより休むことに動機付けられている(=働くこと自体に動機付けられていない)」人たちの「台頭」を招くような気がします。

 

2.「労務に服して賃金を得る」状態から「一歩脱する」こと以外に本質的な「働き方改革」は成り立たない。

 

 「働く」ということの本質的意味や意義は、それを通じて何らかの(それぞれの)人間的・社会的価値(例えば施設利用者の安全と安心)を実現することであり、またそれを通じて働く人たちの「自己実現」と「自己成長」を促進することであるはずです。

 

 そのことはしかし、「労務に服し賃金を得る」という「働き方」からは決して出て来ず、そこから一歩でも二歩でも脱すること以外には、真の(より本質的な)意味での「働く価値」も「働き方改革」も実現できないでしょう。

 

 ただしかし、ひとつの仕組みや枠組みの中であっても、そこから一歩でも二歩でも脱しようとする努力こそが、いずれはそこから脱する道につながるはずですので、そういう意味で昨今の「働き方改革」の「掛け声」は、必ずしもむなしく響くばかりではありません。

 

3.「労務に服して賃金を得る」働き方から脱するための「働き方」のポイント

 

1)「職業」指向か「組織」指向か?

 

 学校を出てすぐに就職(就社)した企業の中で「管理職」になったころから「将来は職業人として自立したい」という思いで、「組織における人事労務」よりも「職業としての人事労務」を指向し、いくつかの業種・業態を渡り歩いて辿り着いたのが筆者の現在です。

 

 「人事労務」に限らず、(たとえ「営業」であっても)「職業」としての自立性も無いままに、ただただ「組織」に依属するだけでは(したままでは)、おそらくより本質的な意味での「働き方改革」は成り立たないだろうというのが筆者の率直な思いです。

 

 もちろん「組織」内で栄達し、トップリーダーとして「働き方改革」を行うという指向性も否定しませんが、カルロス・ゴーン氏の例に見るように、少なくとも企業のトップマネジメントは、「職業」と言うより「任期付きの地位」であるべきもののようです。

 

2)自分の「職業」を「職業」として成り立たせるための知的資本の原初的蓄積を…

 

 医師や弁護士という「職業」でさえ、その資格だけでは自立的な「職業」には程遠く、少なくとも数年間の実務経験をふまえた問題解決力が備わってこそはじめて、「組織」に依属しない自立的な「職業」として成り立つはずです。

 

 では医師や弁護士でなければ「組織的な依属」を必要条件とせずに「職業的な自立」が成り立たないかと言えば全くそうではなく、多くの専門的国家資格を前提とする職業以外にも

それが成り立つ分野はもっと広いはずです。

 

 しかしそのためには、医師や弁護士などにおける数年間の実務経験に代わる、いわば「職業的自立に必要な(主に知的資本の)原初的な蓄積過程を、(たとえ企業との「組織的依属」関係の枠内にある中でも)自らに意識的に課す必要があるでしょう。

 

<主体的な「働き方改革」のチェックポイント>

□ 「分からない」「聞いてない」「指示がない」が口癖になっていないか?

□ 「出来ない理由や言い訳」でなく「出来る工夫や努力」をしているか?

□ 「仕事をすること」より「仕事を休むこと」を優先していないか?

□ 「仕事の目的」や「仕事の価値」を認識しているか?

□ 仕事を単なる「作業」に貶めていなか?

□ 仕事を通じて職業人・社会人として成長しているか?

□ 仕事へのモラール(意欲)やモチベーション(動機付け)を自ら維持しているか?

□ 心身の健康やワークライフバランスを自ら保っているか?

□ 職業人としての自立のために自己投資しているか?

□ 組織外・企業外の人たちとも進んで交流しているか?