20210519_見ざる言わざる聞かざる

 

 「見ざる言わざる聞かざる」というと日光東照宮の有名な彫刻を思い浮かべるのですが、この言葉のもともとの意味は一般的な理解とは少し違うようです。ちなみに筆者はこの言葉を次のように勝手に解釈して、自分自身の行動指針のひとつにしています。

 

 つまり、どんな仕事でも「自分ひとりだけで上手く行く」ような仕事はほとんど無く、「人の理解と協力を得てこそ上手く行く」と考えれば、少なくとも次のような「心がけ」は

必要だろうと、筆者は思うのです。

 

・人の短所を見ざる。

 

 人にはそれぞれ、他の人に見せたくない欠点も短所もあるのだから、それをわざわざ見つけ出して論(あげつら)う必要もない。本人が気付いている場合はなおさら、気付いていない場合でも気付いてくれるまで、見て見ぬふりをするのが良い。

 

・人の無知を言わず。

 

 人にはそれぞれ、知っていることや知らないことがあって当然です。興味も関心も違うのですから。人がそれを知らないからと言って、そのことをことさら言う必要はない。お互いいに、共に知るところになれば良いのです。

 

・人の誹りを聞かず。

 

 人にはそれぞれ、事情も都合もあるし、感じも思いもある。人を悪く言おうとすればきりがないのです。円満な人間関係を築こうとするなら「悪く思わず、悪く言わず」が第一だと思います。

 

<敢えて付け加えるなら…>

 

・人の思いを拒まず。

 

 人にはそれぞれ、見えている事実があり、それぞれの価値観もあり、考えがある。それを「否定」してかかってはどんな話も続かない。「共有」が難しくても「共存」(お互いに認知し、尊重し合う。)はできるはず。

 

・人の愛するところを愛する。

 

 その人を愛されようと思うなら、その人を愛することは勿論、その人が愛するところ(その人が愛すること、その人が愛するもの、その人が愛するもの)を、その人が愛するのと同じように愛することだと思います。

 

・人の気付かざるを責めず。

 

 同じことでも違いを感じる人と感じない人がいます。いわゆる「繊細な人」は、相手と自分の感覚の微細な違いにいら立つことも多いだろうと思います。「どうして気付いてくれないのか」と相手を責めても、自分を苦しめるだけだろうと思います。