20230519 記
1.やっぱりコミュニケーション能力がいちばん大切だと思う
仕事をする上でいちばん大切な能力は、コミュニケーション能力だと思います。そして、コミュニケーション能力のなかでいちばん大切なのは、「相手の言いたいことが分かる」ことと「自分の言いたいことを伝える」ことだと思います。
そして「相手の言いたいこと」ことと「自分の言いたいこと」を噛み合わせ、組み合わせ、重ね合わせて、合意を形成したり、認識を共有したり、見識を高め合うこと、つまり、創造的な「対話」ができることだと思います。
2.どんな相手とでも社会人として「対話」ができるか?
① 挨拶・返事・礼儀
誰が誰に対するときでも、朝の挨拶は「おはようございます」であり、返事は「はい」だと思います。「気に入らないと挨拶も返事もしなくなる」というのは「幼児性」の典型例であって、仕事上のパートナーのマナーとしてありえません。
クイックレスポンスする(ノーレスポンスにしない)ことは、最も基本的なビジネスマナーのひとつだと思います。誰でも、自分の大切な人に対しては、ノーレスポンスにはしないでしょう。レスポンスは、相手に対するリスペクトのあらわれです。
② 肯定的受容と積極的傾聴
「自分の言いたいことを相手に伝える」ためには、先ず「相手の言いたいことを理解する」ことが必要条件だと思います。「頷きや相槌」が多いからと言って「聴いている」「理解している」とは限りません。
論点や文脈を無視しては「対話」は成り立ちません。「自分の言いたいこと」は「相手の言いたいこと」を肯定的に受容し、積極的に傾聴し、その真意を理解した上で、それとの関係で言うのでなければ相手にも周囲にも伝わりません。
③ あの手この手で伝える工夫
「言うより伝える」こと。リアルな対話なら図表や表情や態度で視覚的に伝えること。メールなら、それができない分だけ、記述力・表現力を高めること。それを読む相手の頭の中をイメージして、その中に描き込むこと…。
「対話しながら伝える」こともメールでは制約がありますが、「クイックレスポンス」で何度もやりとりしながら真意を伝えること。自分が伝えたいことは相手の言葉で伝え、自分が伝えたいことが相手の言葉として出てくるように…。
④ 価値観が交わり合うような対話
同じ事象でもそれを「どう感じるか」や「どう考えるか」、また、「どう行なうか(どんな価値観に基づいてどんな言動や態度を選ぶか)」は人によって違います。しかしだからこそ、そこに対話が生まれるのだと思います。
お互いの「感じ」や「思い」や「考え」や「行い」を否定せず、お互いの「価値観」を否定せず、肯定的に交わり合わせ、重ね合わせるところに対話の意義があるのだと思います。より上位の「価値」の創造があるのだと思います。
3.なぜ「対話」が成り立たないのか?
それは要するに、相手の言うことをリスペクトせず、十分な理解も無いまま、自分の言葉を徒に重ねようとするからです。質問の意図を理解せずに回答する、相手に伝える配慮も工夫も無いまま、自分が言うことを優先するからです。
多弁は虚言なのかも知れません。セミナーやミーティングをしていて質問を投げかけると、質問の意図や趣旨と噛み合わないことを延々とお話される方がおられますが、おそらくその方は、そのことをあまりよくご存じないのだろうと思います。