201709016_上手な報告のしかた_相手の脳裡に絵を描くように…

 

1.組織的協働において報告は義務である。

 

 組織協働的に仕事を進める上で最も重要なことのひとつはコミュニケーションを通じて情報を共有化し、認識を合わせることであり、「報・連・相」は、組織で仕事をする全ての人たちにとって共通で当たり前の習慣であり、特に「報告は義務」でさえあります。

 

2.何を報告するか。

 

 「何を報告すれば良いですか?」と尋ねる人がいるかも知れませんが、筆者なら「報告すべきことを報告する」「どうなったと聞かれる前に報告する」「困ったときや、どうしようかなと思ったとき、悪いことほど、気後れせずに報告する」としか答えません。

 

3.誰に報告するか。

 

 組織的協働において情報や認識を共有化すべき相手や周囲や関係者に対してです。特にそれに基づいて判断や決定をする権限と責任を持つ人たちに対する(組織の階層構造の上部に向かってする)「エスカレーション」としての報告が重要です。

 

4.いつ報告するか。

 

 「適時報告」が基本であり義務です。自分に都合の悪いことほど気後れして時機を逸してしまうことがあるかも知れませんが、それではますます判断や解決を困難にするでしょう。また、「足の長い仕事(日時のかかる仕事)」には「中間報告」が必要です。

 

5.どのように報告するか。

 

① 正確・迅速・丁寧に報告すること。

 

  一般的な仕事のしかたと同じですが、報告は正確・迅速・丁寧であること。先ずは正確な報告でなければならないが、同時にタイミングを逸しない、気後れを手遅れにしない報告であること。丁寧さとは相手にとっての分かり易さのための工夫や手間。

 

② 資料や記録を添えて報告する。

 

 よほど急ぐ場合は口頭だけで報告しても良いが、そうでなければ記録や資料を記録や資料には作成(発行)日付と作成(発行)者名を明記すること。予め文書や電子メールで速報を入れておき、後で口頭で補うのが良い。

 

③ 会話的に報告する。

 

 一方的にまくし立てる報告や資料を読み上げるだけの報告では、おそらく半分も聴いて(分かって)もらえません。相手の理解に応じて、相手の「?(疑問)」や「!(興味)」をむしろ引き出すようにしながら会話的に報告しましょう。

 

④ 何もなくても報告する。

 

 報告する側が「何もない(特に報告すべき問題は無い)」と思っていても、相手側は「~はどうなっているのか?」と気をもんで待っているかも知れません。「何もない」と思っても定期的に報告に顔を出せば雑談からでも何かが発見できるはずです。

 

⑤ 相手の脳裡に絵を描くように報告する。

 

 「報告」というのは、相手の脳裡にある「理解」という絵を「報告」という絵具と絵筆を使って「描き上げて行く」ような仕事です。相手が知りたいポイント、相手が気にするポイント、相手に伝えたいポイントが絵や曲の「モチーフ」に当たります。

 

 高名な政治家の田中角栄はたいへん短気な人であったそうですが「最初に結論を言え。そのあと理由を三つ言え。」と部下に指示したそうです。先ずは相手が知りたい、相手に伝えたいポイント(報告のモチーフ)を相手の脳裏に印象付けることが大事です。

 

 その後は相手の知識や認識や興味や関心や理解に応じて必要に応じて時間をかけ、必要に応じて場所や時機をあらため、必要に応じて確認や調査やを行ない、必要に応じて口頭または文書で、相手の脳裏をキャンバスに見立てて絵を描きこんで行くのです。