1.その人を責めるのでなく、その人の「状態」に思いを至らせる。
例えば上司が思うように動いてくれない部下がいる場合は、つい、その「人」のせいにしてしまいがちですが、その前に、その「人」がどういう「状態」にあるのか、動くに動けない「状態」にあるのではないか、ということへの思慮と想像を働かせるべきでしょう。
「彼・彼女はそういう人だ」と「割り切って」しまうのは、拙速なのかも知れません。なぜ「できない」のか、どういう「状態」にあるからなのかを、その人の内部要因と外部要因を総合的に勘案すべきでしょう。
2.その人の「状態」を構成する要素として…。
ひとつにはその人の内部的な諸要素、すなわち、能力や意欲、興味や関心、思考や感情、気質や性格、常識や習慣、知識や技術、こころとからだの諸状態があるでしょうし、さらには外部的な諸要素の諸状態、社会的な諸要素の諸状態があるはずです。
つまり、その人はその「人」単独ではなく、上記の諸要素の諸状態と諸関係の中ではじめて存在し、思い、感じ、行うに違いないのですから、そのことへの思慮と想像、理解と配慮を欠いてはならないのだと思います。
3.その「状態」を少しでも良くするために何か支援できないか…。
例えば「動かない」「できない」「判らない」部下を、「そういう人だ」と割り切り、切捨ててしまう前に、上司としては部下の「状態」を改善するために、どういう要素にどう働きかければ良いかにもっと思い至らせるべきでしょう。
そこには努力や工夫次第で何とかなる要素と、ほとんどどうにもならない要素があるでしょうし、助言や指導次第で何とかなる要素と、ほとんどどうにもならない要素があるでしょう。そこをどう見極め、どう後押しするかが、例えば上司の役割なのだと思います。
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