20181004_人事評価は誉め言葉の制度化

 

1.「褒めもせず、叱りもしない上司は度し難い。」(土光敏夫元経団連会長)

 

 親も上司も子供や部下を「育てる(成長を支援する)」こと、そのために子供や部下を「褒めたり叱ったり」するのも役目です。ただし、子供でも、特に「理不尽に叱られる」ことには反発するでしょうから、「きちんと褒め、きちんと叱る」ことが必要です。

 

 この「きちんと」という言葉は「制度的に」と言い換えても良く、人事評価が「部下をきちんと褒め、きちんと叱る」制度であり、それを通じて部下を「育てる(成長を支援する)」ための制度であるためにも必要最低限度の条件です。

 

2.部下を「きちんと」叱り、褒め、成長を後押しするための人事評価の諸条件

 

1)目的観(何のために人事評価を行うか?)の共有化

 

 先ずは人事評価を行う側で人事評価の目的(何のために人事評価を行うか?)についての認識を共有化しておかなければなりません。「褒めること」や「叱ること」自体が目的ではないはずですから。

 

①人を動機付け、成長を支援するために

 

 理不尽、不用意、無配慮な「褒め方・叱り方」をして、部下の「やる気」を損ねてしまったり、「成長力」を阻害してしまっては元も子もありません。人事評価は「適正に」これを行い、部下を動機付け、その成長を支援するものでなければなりません。

 

②人を適正に「処遇する」ために

 

 多くの人を組織してものごとを行なおうとする際に、それぞれの人に「相応しい」処遇(例えば職位・資格・給与)を行うことが必要です。何がその人に「相応しい」処遇かは「人事評価(人事考課)」を通じて判定します。

 

③有限な経営資源の適正配分のために

 

 例えば昇給や賞与の「原資」も有限な経営資源(ヒト・モノ・カネ・時間・情報)のひとつです。かつての高度成長時代とは異なり、その資源はますます限られて来ており、それを適正に(フェアに)配分するための基準として「人事評価」が必要です。

 

2)要素観(何を評価の対象要素とするか?)の共有化

 

①人の何を評価するものなのか?

 

 人事評価は「人が人を評価する」ものであるところに「難しさ」があるですが、しかし決して「人格」を評価するものではなく、たとえ「人格的要素」を評価する側面があるとしてもそれはあくまで「一緒に仕事をする」うえでの評価要素です。

 

②「態度・能力・実績」

 

 例えばそれは、「仕事をする上での誠実性や勤勉性や積極性(態度)」「正確・迅速・丁寧に仕事を進める能力、またコミュニケーション能力や専門的なプロフェッショナル能力(能力)」「仕事の過程や結果として得られる成果(実績)」です。

 

③「具体的な仕事ぶり」

 

 上記の「態度」や「能力」や「実績」は、上司が部下の実際の日常的な仕事ぶりを一定の期間観察し、必要に応じて指導しながら上司の心証として自ずと形成された評価観ですので、評価の対象は、ひと言でいえば「部下の仕事ぶり」です。

 

3)方法論(どのように人事評価を行うか?)の共有化

 

① 上司-部下間の日常的なコミュニケーションと信頼関係に基づいて行う。 

 

 上司-部下間に双方向の日常的なコミュニケーションとそれに基づく相互の信頼関係が必要です。「人事評価の不満」のほとんどは「上司への不満」です。人事評価を行う前に部下との日常的なコミュニケーションと信頼関係を回復すべきです。

 

② 評価は一人でしない、一度でしない。

 

 人事評価が「人が人に対して行う評価」である以上、どうしても「偏り」が生じます。したがって「一人で評価をしない(例えば複数の上司による評価や部下・同僚による周囲評価)」「一度で評価しない(期間評価の継続的積み重ね)」ことが必要です。

 

③ 有限な経営資源の配分として行なう。

 

 例えば人事評価を「S・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

② 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、「人は誉めて育てる」人は