20170723_専門性と総合性は矛盾も対立もしない。

 

1.あらゆる職業には専門性が求められる。

 

 単に「労務に服して賃金を得る」ことに留まらないかぎり、あらゆる「職業」には「専門性」が求められることは言うまでもありません。医師でも弁護士でも、科学者でも技術者でも、「専門性」がなければ職業として成り立たず、「専門性」は「職業」の「支柱」です。

 

2.しかし同時に総合性を失ってはならない。

 

 しかし同時に、例えば医師が、臓器や疾病のみを眼中に置き、患者という人間や人間性への視点を見失えば、その瞬間に職業として成り立たず、その専門性はむしろ人間性に反する方向にさえ発揮されることさえあり得ます。

 

3.総合性とは人間的・社会的価値への指向性である。

 

 総合性とは、それがそもそも「何のため」の専門性であるかという、人間的で社会的な価値や目的への指向性であり、また、現実の諸問題を、あらゆる専門性を駆使・動員して「解決」するインテグレーションやソリューションの力だと思います。

 

4.専門性と総合性は矛盾も対立もしない。

 

 例えば医学において、一見、研究医と臨床医の矛盾や対立があるように見え、専門医と総合医の矛盾や対立があるように見える(一方が他方を非難するように聞こえる)のは、おそらく医学の進歩にとって何ら生産的ではあり得ないでしょう。

 

5.専門と総合の相互の協働が必要である。

 

 知識や技術は、自分が何を知っており、何ができるかを知っている(=専門性)と同時に、自分以外の誰が何を知っており、何ができるかを知っている(=総合性)ことが重要であり、両者を結び付けるのは一人の天才ではなく相互の協働であるはずです。