7_4 Communication(意思疎通)

 以上に述べたような「人と組織」のマネジメントの主要な機能が、現実には必ずしも上手く機能しないのは、主としてコミュニケーションの問題です。円滑なコミュニケーションが成立しなければ、「人と組織」のマネジメントも機能しません。

 

(1)構成員のコミュニケーションリテラシーの底上げが必要。

 

 組織や企業におけるコミュニケーションが十分に機能するためには、メンバーレベルにリテラシーとしてのコミュニケーション能力の底上げが必要であり、特にリーダーにはその機能を発揮するためのコミュニケーション能力の底上げが必要です。

 

<参考 「コミュニケーションの力」>

 ① 聴く力(積極的に傾聴し、肯定的に受容する力)

 ② 理解する力(相手の言いたいことを理解する力)

 ③ 表現する力(言う力、書く力、描く力)

 ④ 伝える力(相手の疑問や興味に訴求する力)

 ⑤ 対話する力(相手の発言を促し、議論を進める力)

 ⑥ 気付く力(相手の感情に気づき、受容する力)

 ⑦ 配慮する力(相手の立場や利便を尊重する力)       

 ⑧ 説得する力(相手の納得を得る力)

 ⑨ 合意形成する力(論点を明確にし高レベルの合意を導く力) 

 ⑩ 指し示す力(リーダーとして組織を方向付ける概念化能力)

 ⑪ 引き出す力(メンバーから理解・支持・協力を引き出す力)

 ⑫ 統合する力(矛盾や相克を止揚してより高い次元の「解」を指し示す力)

 

<参考 「電子メールのリテラシー」>

 ① 電子メールで済むことは電子メールで済ませる。

 ② 電子メールの同報機能(㏄)を上手く使って組織的な情報共有を促進する。

 ③ 電子メールとフェイス・ツー・フェイスのコミュニケーションを上手く組み合わせる。

 

(2)組織そのもののコミュニケーションレベルの引上げが必要。

 

 組織や企業そのもののコミュニケーションレベルの高低は、次のように整理することができます。組織や企業のコミュニケーションレベルを高く保つことは、「人と組織」のマネジメントの成立要件であり、主要機能でもあります。  

  

 ① 上下左右のコミュニケーションの頻度や密度

  … フォーマルなコミュニケーションネットワークが滞りなく機能しているか?

 ② 指示や決定の周知徹底が・・・十分/不十分

 … 例えば、トップの指示がその日(遅くとも翌日)中には全構成員に到達しているか? 

 ③ コミュニケーションの機会や方法やルール

 … 例えば、行われるべき報告が適時・正確に行われているか?

 

(3)コミュニケーションの促進要因と阻害要因

 

 個人レベルのコミュニケーションの促進要因と阻害要因については以下のとおりです。

 ①促進要因 … 肯定的受容と積極的傾聴、双方向の、ポジティブな感情表現

 ②阻害要因 … 否定、無関心、軽視、無視、一方的な、ネガティブな感情表現

 

 組織(企業)のトップやマネジメント層の、日常的なコミュニケーションの場(報告・連絡・相談、指示命令、会議等…)における具体的な言動や態度に、①の要因や要素が多ければコミュニケーションが促進され、②の要因や要素が多ければコミュニケーションが阻害されます。