Q2_組織の無駄と効率

 

A1)組織の「効率を高める」ためには組織の「無駄を排する」以外にない。

 

 ある心理学者が実験的に検証したところ、得られた結論は、「3人対3人の綱引きで発揮されたひとりひとりの能力は、1人対1人の綱引きで発揮されたひとりひとりのパワーより数割も小さい」というものでした。(「綱引き理論」「集団的サボタージュ」)

 

 われわれは普段、「チームワーク」という言い方で、1人の場合の3倍以上の力が3人の場合に発揮されるかのように言いますが、「チームワーク」というのは、実は「力を合わせる」というより「サボタージュ(パワーの減殺)を防ぐ」ことなのかも知れません。

  

 「組織的な協働」が当たり前であるはずの企業や組織においても、実際には「協力を惜しまない人」より「協力を惜しむ」人のほうが多いと感じる場面もあり、これを是正することが組織の効率化の第一歩のように思います。

 

<追記事項>組織を「共貧関係」に陥れるもの

 

 例えば交通渋滞や交通事故という「社会的な無駄」を生じさせる原因のひとつは、個々のドライバーの自分本位(自己優先)の、「道路交通」というひとつの共同体の目的や価値への無理解・無配慮・非協力にあることは明らかです。

 

 企業や職場は、もっと「目的」や「価値」へのコミットメントの強い組織であるはずのところが、個々の構成員が、ときどき無理解・無配慮・非協力なドライバーと同じようなビヘイビアを示していることを、リーダーやマネージャーが見過ごしてはなりません。

 

A3)メンバーにはメンバーシップの履行を求める。

 

 企業や組織は一定の目的を達成し、価値を実現するための協働体なのですから、メンバーに「目的」や「価値」への強いコミットメントを求めるのは当然であり、下記のような「メンバーシップ」の履行を求めるのは当然です。(参考テキスト「より良く(より良い)仕事をするために」)。

 

 □ コミュニケーション良く仕事をする

 □ 良好な人間関係を築く

 □ 仕事を通じて成長する

 □ 正確・迅速・丁寧に仕事をする

 □ 責任を持って仕事をする

 □ 自分を仕事に動機付ける

 □ 目標をもって仕事をする

 □ 計画的に仕事をする

 □ 人と組織を通じて仕事をする

 □ 健康的に仕事をする

 

  また、組織協働的に仕事をするということは、「自分の仕事のアウトプットが他のメンバーの最適なインプットになるように仕事をする」ということであり、「他のメンバーの仕事のアウトプットを自分の仕事のインプットとして上手に使う」ことです。

 

  そうしたことこそが、筆者が言う「メンバーシップ」であり、「基本的な仕事の進め方」であり、「効率的な仕事の進め方」です。マネジメントやリーダーシップとは、そうした組織的協働を「人と組織」から上手に引き出すことにほかなりません。

 

A3)リーダーシップとマネジメントには判断と責任を求める。

 

 組織管理の機能は既述のとおりです(「組織管理の七つ道具」参照)。このうち、組織の効率を大きく左右するのは、組織のマネジメントにおける Decision(先見性と責任をもって組織としての判断と選択を行うこと)の機能です。

 

 ① Decision(判断・決断・選択)

 … 先見性と責任をもって組織としての判断と選択を行うこと。

 ② Orientation(指示)

 … 組織の目標や価値や当為として明確に指し示し、組織内外に周知徹底すること。

 ③ Motivation(動機付け)

 … 組織構成員全員を内発的に動機付けること。

 ④ Communication(コミュニケーション)

 … 意思統一、意思疎通、意思形成に必要なコミュニケーションを行うこと。

 ⑤ PDCA, Evaluation(PDCAと業務評価)

 … サイクリックなマネジメントを通じて人と組織から成果と効率と成長を引き出すこと。

 ⑥ Education(人と組織の成長の促進)

 … 「人が仕事を育て、仕事が人を育てる組織づくり」を進めること。

 ⑦ Organization, Succession(組織の成長と継承)

 … 組織的協働のレベルを向上し、次世代のリーダーに引き継ぐこと。 

 

 リーダーシップやマネジメントがその果たすべき機能を活き活きと果たしていれば(例えば判断すべき事項を判断すべき時機に判断すべき人が判断する)、企業や組織の無駄が省かれ、効率が上がるに違いありません。