Q1_組織の設計と人の処遇

 

 「事業」に合わせて「組織」を設計し、そこに「人」をアサインする。「事業」を営むために「組織」があるのであり、「人」を処遇するために「組織」があるのではないはず。しかし現実には「組織」の必要と「人」の処遇がマッチしない…

 

A1)組織は「事業」単位(「損益」単位)に編成するのが良い。

 

 複数の「事業」を営む企業で働く人たちが「自分が携わる事業の損益も知らない」とか、「うちの事業が低迷しても他の事業が好調だから良い」という意識に陥ることは、やがて企業全体の存続を危うくすることにもなりかねません。

 

 企業が複数の「事業」を営む場合には、先ずは「事業」別に組織を編成すべきであり、「事業」別に損益(ProfitとCost)を計算し、経理などの「スタッフ部門」も「事業」別に持たせるか、少なくともそのコストを「事業」別に明示的に配賦すべきです。

 

A2)組織には「定員」があり、「欠員」や「剰員」が生じうる。

 

 例えばメーカーなら設計-製造-販売という機能別の部門で組織を編成するでしょう。各部門が発揮すべき機能は何か、およびその部門に、どのような技能・経験・知識を持つ「人」が何人必要かを「定義」して「規程」化しておくべきです。

 

 つまり公務員の世界では「当たり前」かも知れませんが、組織には「設計」や「定義」が必要だということ、したがって組織や部門には「定員」があるということ、したがって時と場合によっては「欠員」もありうるし、「剰員」もありうるということです。

 

<追記事項>「定員」制が「柔軟な企業経営」の妨げになったと言うが…

 

 公営企業では「定員」が法令で定められていることが「柔軟な経営の妨げになる」という言い方がありますが、確かに公営企業に「損益責任」を負わせるなら「定員」を法令で拘束するのはもはやなじまないかも知れません。

 

 しかし、Profitを部門ではなく、Cost部門には、その「自己増殖」を防ぐために、むしろ「法令」レベルの拘束力を持たせるほうが良いのではないかと筆者は思います。一般企業においても組織や部門の「定員」は、少なくとも「規程」化しておくべきです。

 

A3)管理職や専門職のポジションは個別に定義する。

 

 いわゆる「管理職」や「専門職」のポジションは、その「定員(定数)」を規程化するのと同時に、個々のポジションについて「発揮すべき機能や果たすべき責任」および「適任者の技能・経験・知識要件」を定義してから適任者を任用すべきです。

 

 そして各ポジションの機能や責任について、「価値評価(Position Evaluation)」を、たとえば中小規模の企業なら三段階(グレード)程度で行っておき、そのポジションに就く人の給与を各ポジションのグレードに応じて設定すれば良いでしょう。