時間外労働の上限規制

 

労働政策審議会建議「時間外労働の上限規制等について」(2017年6月5日)

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000166799.html

法改正に向けてのスケジュール感、取り組み方については「可及的速やかに」(厚生労働大臣記者会見、20170606)

 

<以下抜粋、付番と注釈は筆者>

.時間外労働(法定休日における労働時間を除く)の上限規制は、原則として 月 45 時間、かつ、年 360 時間とすることが適当であり、この上限に対する違 反には、以下の特例の場合を除いて罰則を課すことが適当である。

2.特例として、臨時的な特別の事情がある場合として、労使 が合意して労使協定を結ぶ場合においても上回ることができない時間外労働時間(法定休日における労働時間を除く)を 年 720 時間と規定することが適当である。

3. かつ、年 720 時間以内において、一時的に事務量が増加する場合について、最低 限、上回ることのできない上限として、以下のとおりとすることが適当である。 

 ① 法定休日における労働時間を含めて2か月ないし6か月平均で 80 時間以内

 ② 法定休日における労働時間を含めて単月で 100 時間未満

 ③ 月 45 時間(法定休日における労働時間を除く)を上回る回数は年6回まで

 なお、原則である月 45 時間の上限には休日労働(法定休日における労働時間)を含まな いことから、①及び②については、特例を活用しない月においても適用されるもの とすることが適当である。

 

<筆者注:時間外勤務の上限規制への対応案>

① 法定時間外給の「不払い」は最大の労務リスクであり、絶対に回避すべき。

② 時間外勤務の上限規制は社会的ルールとしての認識共有化が必要。

③ 経営者が何を言おうが足元で「不払い」を起こしている企業は必ず摘発を受ける。

④ 法定の許可要件を満たさない宿日直が時間外勤務時間に算入されるこは当然。

⑤ 人を増やすことや仕事(顧客)を減らすこと以外にも時間外勤務を減らす方法はある。

  

<現行の適用除外等の取扱い>

労働政策審議会建議

 

 現行の時間外限度基準告示で適用を除外されている事業・業務については、健康確保に十分配慮しながら、働く人の視点に立って働き方改革を進める方向性を共有したうえで、実態を踏まえて、以下のとおりの取扱いとする。

 

① 自動車の運転業務

 …自動車の運転業務については、罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法の一般則の施行期日の5年後に、年 960 時間以内の規制を適用することとし、かつ、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設ける。

 

② 建設事業

 …建設事業については、罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法の一般則の施行期日の5年後に、罰則付き上限規制の一般則を適用する。ただし、復旧・復興の場合については、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設ける。

 

③ 新技術、新商品等の研究開発の業務

 …現行の対象範囲を超えた職種に拡大することなく、対象を明確化した上で適用除外とする。その際、健康確保措置として、1週間当たりの40時間を超えた時間が1か月当たり 100 時間を超えた者に対し、医師による面接指導の実施を義務づける。

 

④ 厚生労働省労働基準局長が指定する事業もしくは業務

 …季節的要因等により事業活動若しくは業務量の変動が著しい事業若しくは業務又は公益上の必要により集中的な作業が必要とされる業務については、原則として罰則付き上限規制の一般則を適用することが適当であるが、業務の特殊性から直ちに適用することが難しいものについては、その猶予について更に検討する。

 

⑤ 医師

 … 医師については、時間外労働規制の対象とするが、医師法第 19 条第1項に基づく応召義務等の特殊性を踏まえた対応が必要である。

 具体的には、改正法の施行期日の5年後を目途に規制を適用することとし、医療界の参加の下で検討の場を設ける。

 質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得る。