裁量労働制

参照HP

裁量労働制について(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

http://www.jil.go.jp/rodoqa/01_jikan/01-Q06.html

専門業務型裁量労働制(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/roudou/senmon/

企画業務型裁量労働制(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/roudou/kikaku/

 

<1>裁量労働制は時間外労働のみなし時間制のひとつ

 

 「事業場外労働のみなし時間制(労基法38条の2)」のほかに、業務の遂行方法が大幅に労働者の裁量に委ねられる一定の業務に従事する労働者についても、みなし制の適用が可能な場合があります。この制度は、裁量労働のみなし時間制と呼ばれます。

 

労基法38の2(事業場外労働のみなし時間制)

 労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。

2  前項ただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を同項ただし書の当該業務の遂行に通常必要とされる時間とする。

3  使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。

 

<2>専門業務型裁量労働制

 

 専門業務型裁量労働制は、業務の性質上その遂行方法を労働者の大幅な裁量に委ねる必要性があるため、業務遂行の手段および時間配分につき具体的指示をすることが困難な一定の専門的業務に適用されるものです(労基法38条の3第1項)。

 

労基法38の3(専門業務型裁量労働制)

 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、労働者を第一号に掲げる業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第二号に掲げる時間労働したものとみなす。

一  業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(以下この条において「対象業務」という。)

二  対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間

三  対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、当該対象業務に従事する労働者に対し使用者が具体的な指示をしないこと。

四  対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。

五  対象業務に従事する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。

六  前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項

 

労基則24条の2の2第2項、平成9年労働省告示7号など

(専門型裁量労働制の対象業務)

法第三十八条の三第一項第一号 の厚生労働省令で定める業務は、次のとおりとする。

1  新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務

2  情報処理システムの分析又は設計の業務

3  新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務又は放送法に規定する放送番組の制作のための取材若しくは編集の業務

4  衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務

5  放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務

6  前各号のほか、厚生労働大臣の指定する業務

 ①広告、宣伝等における商品等の内容、特長等に係る文章の案の考案の業務

 ②事業運営において情報処理システムを活用するための問題点の把握又はそれを活用するための方法に関する考案若しくは助言の業務

 ③建築物内における照明器具、家具等の配置に関する考案、表現又は助言の業務

 ④ゲーム用ソフトウェアの創作の業務

 ⑤有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務

 ⑥金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務

 ⑦学校教育法に規定する大学における教授研究の業務(主として研究に従事するものに限る。)

 ⑧公認会計士の業務

 ⑨弁護士の業務

 ⑩建築士の業務

 ⑪不動産鑑定士の業務

 ⑫弁理士の業務

 ⑬税理士の業務

 ⑭中小企業診断士の業務

 

 

*臨床医への裁量労働制の適用について

 … 全国医師ユニオンと全国医師連盟が10月6日に行った厚生労働省への要請行動で、同省は、臨床を主たる業務とする医師の裁量労働制は認めないという見解を示した。

 そのほか、2009年度に労働基準監督署が立ち入り調査を実施した医療保健業の事業場数1475件のうち、労働基準法違反で是正勧告などを行ったのは1216件(82.4%)に上ることも要請行動で明らかになった。(2011年10月6日 橋本佳子 m3.com編集長

 

<3>企画業務型裁量労働制

 

 企業の中枢部門で企画立案などの業務を自律的に行っているホワイトカラー労働者について、みなし制による労働時間の計算を認めるものです。労使委員会における5分の4以上の多数決による決議を要するなど、専門業務型に比べて要件は厳格になっています。

(労基法38条の4、平15.10.22厚生労働省告示353号など)

 

労基法38条の4(企画業務型裁量労働制)

 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会が設置された事業場において、当該委員会がその委員の五分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者を当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第三号に掲げる時間労働したものとみなす。

一  事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であつて、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務(以下この条において「対象業務」という。)

二  対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者であつて、当該対象業務に就かせたときは当該決議で定める時間労働したものとみなされることとなるものの範囲

三  対象業務に従事する前号に掲げる労働者の範囲に属する労働者の労働時間として算定される時間

四  対象業務に従事する第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。すなわち、労使委員会が5分の4以上の多数決による決議を行い、使用者がその決議を行政官庁に届け出た場合には、事業の運営に関する企画・立案・調査・分析の業務であって、性質上その遂行方法を大幅に労働者に委ねる必要があるため、その業務の遂行の手段および時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務に、その業務を適切に遂行するための知識・経験等をもつ労働者を就かせたときには、その労働者については決議で定めた時間だけ労働したものとみなすことができます(労基法38条の4第1項)。みなし制の効果は、専門業務型の場合と同様です。

五  対象業務に従事する第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。

六  使用者は、この項の規定により第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者を対象業務に就かせたときは第三号に掲げる時間労働したものとみなすことについて当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかつた当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。

七  前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項

(以下略)