Q1_組織の動機付けと成長の促進

 

A1)組織の動機付け:いろいろな動機付け要因があって良い。

 

 ① 企業や組織のトップから見れば、そこに働くメンバーたちの仕事ぶり(仕事の上でのビヘイビア)は、ひとつひとつのベクトルとして見え、企業や組織の全体はそれらのベクトルの総合作用の結果として方向付けられているように見えると思います。

 

 ② 個々のメンバーのベクトルは、組織や企業の目的や価値へのコミットメントの程度によっても異なり、個々のメンバーのポジションや成長度によっても異なるでしょう。お互いに増幅作用を及ぼすこともあり、減衰作用を及ぼすこともあるでしょう。

 

 ③ トップが指示する企業や組織の目的や価値の方向性と、個々のメンバーが指向する方向性は、1度の開きもなくぴったり合致していることが、少なくとも理念的には最大の効率を生むでしょうが、現実にはあり得ず、強制すべきでもないでしょう。

 

 ④ 組織や企業のトップの視点から経験的・感覚的に言えば、「トップが指示し、他のメンバーが指向する方向に対して、左右に各々概ね30度から60度以内でお互いの方向性が合っていれば良し」として許容するのが良いように思います。

 

 ⑤ 逆に言えば、トップが指示し、他のメンバーが指向する方向に対して、左右に各々90度以上もの開きのあるベクトルは、お互いに相殺効果を生じてしまうので、もはや許容範囲ではなく、何らかの介入と是正が必要でしょう。

 

A2)組織の成長:「組織協働的な仕事のしかた」を習慣化する。

 

 組織や企業で仕事をする個々のメンバーの視点で言えば、「組織協働的な仕事のしかた」とは、例えば次のようなことです。個々のメンバーに、こうしたビヘイビアが日常的な仕事を通じて定着している組織が即ち成長度の高い組織です。

 

 □ コミュニケーション良く仕事をする。

   □ 報告・連絡・相談を欠かさない(情報を滞らせない)。

   □ コミュニケーションを促進する言動や態度を選択する。

   □ 傾聴・共感・イマジネーションのコミュニケーションをする。 

 □ 主体的に仕事をする。 

   □ 責任をもって結果が出るまで仕事をする。

   □ 目的意識や目標意識をもって仕事をする。

   □ 計画的に仕事をする。 

 □ 人と組織を通じて仕事をする。

   □ 他のメンバーや仕事の相手先と信頼関係を築く。

   □ 相手や周囲の理解や合意や協力を引き出しながら仕事をする。  

   □ 相手にとって最善のインプットになるようなアウトプットをする。

 

A3)組織の動機付けと成長を促進するリーダーシップとマネジメント

 

 ① リーダーシップやマネジメントの最も核心的な役割や機能は、組織や企業の目的や価値に向けた「人と組織の動機付けを高める」ことであり、そのための組織的協働を行う上での「人と組織のーの成長を促進する」ことです。

 

 ② 採用から退職までの(「育成」や「動機付け」以外の、「採用」「評価」「処遇」などの)人事マネジメントの各プロセスは、「メンバーのモチベーションを高める」ために、また「メンバーの成長を促進する」ために運用することができるはずです。

 

 ・ 採用プロセス … 仕事への動機付けが高く、自己成長力の高い人を採用する。

 ・ 評価プロセス … 人と組織の動機付けや、成長を引き出す人を高く評価する。

 ・ 処遇プロセス … 人と組織の動機付けや、成長を引き出す人を高く処遇する。

 

 ③ 人と組織を動機付けを高め、人と組織の成長を促進するためのリーダーシップやマネジメントの日常的なビヘイビアの指針は、「指導」であると同時(もしくはそれ以上)に「支援」なのかも知れません。⇒ コラム「指導よりも支援」の稿参照。