システムにブラックボックス化された業務の基本を担当者の手に取り戻し、 主体的にシステムを使いこなしながら業務全体を合理化・効率化する。
システムで処理するか担当者が対応するかの別にかかわらず、また、事業所の職員数の多少にかかわらず、採用から退職までの勤怠・給与・社会保険の実務に関する基本的な知識やスキルの多くは共通です。
担当者が業務の基本をしっかりと理解し、システムの仕様や機能をしっかりと把握し、最適なシステムを主体的に使いこなすことが出来れば、勤怠・給与・社会保険の業務全体が一層合理化・効率化できます。
しかし現実には、担当者が理解すべき業務の基本がシステム化によりブラックボックス化され、担当者がシステムの仕様や機能も十分に理解しないまま、せっかくのシステムを上手く使い切れていない例が目立ちます。
一方で、システムによる自動化も未だ十分とは言えず、業務の多くを担当者や、対象者たる一般職員の手作業・手入力に依存し、業務全体の合理化や効率化が進まない例も目立ちます。
筆者のもとには顧問先から勤怠・給与・社会保険に関するさまざまな困りごとや悩みごと寄せられますが、それを解くカギのひとつは、業務の基本をシステムのブラックボックスから担当者が取り戻すことだとだと思います。
そして担当者が業務の基本をシステムと共有化し、システムの仕様と機能を理解し、主体的にシステムを使いこなし、一般職員の理解と協力を得ながら、業務全体の合理化と効率化を進めることだと思います。
本稿では、担当者の現実的な困りごとや悩みごとのいくつかに沿って、担当者が取り戻すべき業務の基本と、担当者が理解すべきシステムの基本的な仕様や機能を、振り返ってみたいと思います。