20210418_「困った人」は「困っている人」

 

1.「職場の中の困った人たち」⇒「職場の中で困っている人たち」

 

 筆者自身が今までの多くの著作の中で、職場の中でうまく適応できない人たちを「職場の中の困った人たち」と呼んでしまっており、「そこを何とかする」という「人事マネジメント」の対象として見てしまっていました。

 

 しかし、今さらながら気付いた当たり前のことのひとつは、「職場の中の困った人たち」の問題は、「職場の中で困っている人たち」の問題として捉え直さない限り「解けない」のではないかということです。

 

 つまり、たとえば「コミュニケーションがうまく取れない困った人たち」という問題は、「コミュニケーションがうまく取れずに困っている人たち」という本人の悩みや苦しみを、周囲が何とかして支えるというマネジメントが必要であり有効であると思うのです。

 

2.メンタルの問題も、発達障害の問題も…

 

 最近、筆者の顧問先で、職場のストレスに起因して精神疾患を発症し、労災認定を受けた事例がありましたが、やはり本人の側に立って、本人の「困りごと」を一緒に何とかしようという発想が職場の管理監督者側にあれば、もっと違う結果になっただろうと思います。

 

 いわゆる「発達障害」とされる問題を抱えて、周囲と上手く協調できない、協力できない、良好円満な人間関係を築けないで困っている人たち、悩み苦しんでいる人たちがいるのなら、そこを何とか支えるのが職場のマネジメントの役割でしょう。

 

 現実には、「本人の自己認識」が不足し、本人よりも周囲の「困りごと」のほうが大きい、ということがあり、その際には「自己認識を促す」ことを筆者は「推奨」してしまっていましたが、それは実は「もっと本人を困らせろ」ということだったのかも知れません。