20210617_働く人たちの未熟性について

 

 筆者自身の未熟性の反省と、一緒に仕事をする人たちへの期待を込めて…

 

1.未熟性の特徴

 

① 挨拶も返事も礼儀もない。

 

 まるで家庭で母親が子供に言い聞かせ、教室で教師が生徒に言い聞かせるのと同じで、職

場においても上司が部下に言い聞かせ、当たり前の習慣にしなければならないことのひとつが「挨拶・返事・礼儀」です。

 

 どのような相手に対してでも(「目下の」相手や、「相争う」相手に対してでも)、どのような状況(「困難な」状況においてでも)相手に対する敬意(リスペクト)とそれに基づく「挨拶・返事・礼儀」を欠かしてはならないのだと思います。

 

 感謝の気持ちを込めて「有難うございます」と言い、謝罪の気持ちを込めて「申し訳ありません」と言うのがコミュニケーションや円満な人間関係や、組織的協働や、課題・問題解決の第一歩であり、それが出来ない(その「ひと言」もない)のは未熟性の第一歩です。

 

 自分の感情や都合や損得が優先する。

 

 不平不満が先に立つ(直ぐ顔に出る)ことも未熟性の最大の特徴のひとつだろうと思います。つまりは「気に入らない」ということなのでしょう。自分の感情や都合や損得を優先し、「自己中心」的で、相手や周囲の感情や都合や便宜は眼中にない…。

 

 事実(ファクト)と論理(ロジック)よりも、自分の感情や都合や損得を優先させると、おさまる(まとまる)話もおさまり(まとまり)ません。決して「足して2で割る」式の解決でなく、お互いの感情や都合や損得を超えた「高み」に立ってこそ解決するはずです。

 

 マズローは人間の欲求段階を「自己生存-自己安全-自己尊厳…」と説きましたが、それほどにまで「自己」を「優先」していては、人間相互の「親和」も「成長」も「実現」も成り立たないでしょう。

 

③ 気付きも配慮もない。

 

 これも「自己中心」癖のひとつで、相手や周囲の感情や都合や便宜は眼中になく、相手が困っていてもお構いなし。ほんの少しの間、「待つ」ことや「譲る」こと、「我慢」することさえしない、できない、そこに気付かない。

 

 円滑なコミュニケーションも、円満な人間関係も、「そこ(その瞬間・その場面・その状況)に、たったひとつの気付きや配慮や言動(たったひと言・たったひと手間)や態度があるか無いか」だと思います。

 

 例えば道路交通での「交通安全」や、医療現場での「医療安全」や、コロナ下での「感染防止」でさえ、そこにたったひとつの配慮や言動や態度があるか無いかです。それが「基本動作」として習慣として、「当たり前化」しているかどうかだと思います。

 

2.仕事のしかたへの「未熟性」のあらわれ

 

(例1)自分の生活や体調が自分でコントロールしきれず、当日の朝にならなければ出勤できるかどうか分からない。

 

(例2)あらかじめ交通機関の遅延等が予想されるのに早めに出勤する等の対応がとれない。(むしろ交通機関の遅延等を遅刻の言い訳にする。)

 

(例3)自分の感情や思いや都合を優先し、相手や周囲がどう感じるか、どう思うか、どう反応するかに想像が及ばない。相手や周囲のためにどうすれば良いかに思い及ばない。

 

(例4)相手や周囲の配慮や好意に気付かず、素直に感謝できない。自分の非を認めず、素直に謝罪できない。

 

(例5)相手が仕事をしやすいように、ひと手間惜しまず、自分の仕事をしておく、という発想も習慣も無い。自分が約束した納期も、自分の都合で守れない。

 

(例6)出来ない言い訳はするが出来るように努力や工夫をしない。自分以外のせいにはできるが、自責化できない。(または極端・不合理に自責化しすぎる。)

 

(例7)ものごとを事実に基づいて論理で考え、言い、書き、伝えることができない。自分以外のせいにする。

 

3.未熟性を超える

 

 上記のような未熟性を超えて行くことが、すなわち、成長するということだと思います。母親が子供の手を引いて、教師が生徒を導いて、そこ(その瞬間・その場面・その状況)を共通し、そこに相応しい配慮や言動や態度をともに選び取って行くことです。

 

 社会人・職業人を相手に、そんなレベルのことを、いまさらしなければならないのは、いささか残念ではありますが、手前の問題を解決しなければ、その先の問題は解決できないので、職場のマネジメントも、相手の成熟度に応じて行わざるを得ません。

 

 職場における上司が、家庭における母親や教室における教師のように、そこ(その瞬間・その場面・その状況)を部下と共有し、カウンセリングとコーチングのマインドとスキルを持って、そこに相応しい配慮や言動や態度をともに選び取り続けることだと思います。

 

<山本五十六の格言に代えて…>

 

 その瞬間、その場面で、一緒に観て、感じて、思って、考えて、選んで、言動する。

 ひとりでできるようになるまで、何度か一緒にやってみる。

 出来る、ことではじめて、分かる、ことになる。(出来るまでは放任しない。)