20180730_其れ恕か_人間相互の尊厳と親和

 

1.其れ、恕か

 

 子貢問ひて曰く、 「一言(いちげん)にして以て 終身之を行ふ可き者有りや」 子曰く、 「其れ恕か、己の欲せざる所は、人に施すこと勿 れ」(論語)。「恕」とは要するに「思いやり」だというのが一般的な解釈です。

 

 さらに言えば「恕」という言葉は、「宥恕」や「寛恕」ということ、つまり正否や理非だけではない、もっと深く広い豊かな人間的な言動や態度の選択、およびそのもととなる考え方や処し方や人間性を言っているのだろうと思います。

 

2.人間相互の尊厳と親和

 

 では、人間相互の関係をより良く保つ上で「終身之を行ふ可き」ところは何かと問われたらどうでしょうか。筆者なら「相互の尊厳と親和」と答えます。マズローのいう「尊厳」および「親和」という言葉に「相互の」を冠したものです。

 

 つまり、人間にとって「それ無しには存立できない」ほど重要なことはマズローの言う通り「生存」「安全」「親和」「尊厳」「実現」だとしても、それらは「自己」単独ではなく「相互」でしか成り立たない(「己所不欲、勿施於人」)はずです。

 

 「人間関係が上手く行かない」という悩み事や困り事は、筆者を含めて多くの人たちに共通する事項だろうと思いますが、筆者自身は「相手への尊厳、相手との親和」を基本方針にして、自分の対人的な言動や態度を選択したいと思います。