20170107_「仕事をする」うえで一番大切なこと

 

<追記事項_20210923 14の労働価値>

 

 ドナルド・E・スーパー(アメリカの心理学者&経営学者)氏は「仕事の重要性研究」の中で「働く価値」を14項目に整理しています。( )内は引用者の勝手な注釈です。

 

 ① 能力の活用  (自己有能感)

 ② 達成     (自己達成感)

 ③ 美的追求   (対象の完成)

 ④ 愛他性    (利他性)

 ⑤ 自律性    (自己管理)

 ⑥ 創造性    (独自性・独尊性)

 ⑦ 経済的報酬  (生活の安定、安心)

 ⑧ ライフスタイル(ワーク&ライフバランス、ライフの充実)

 ⑨ 身体的活動  (体を動かす快さ)

 ⑩ 社会的評価  (働く誇り)

 ⑪ 冒険性    (わくわく)

 ⑫ 社会的交流性 (親和性)

 ⑬ 多様性    (ワークのひろがり)

 ⑭ 環境     (働きやすさ)

 

<引用者コメント>

 

☆ 上記に「⑮自己成長」を加えて考えてみてはどうでしょうか?

☆ 専門職か非専門職か、従属的な働き方かどうか、一定水準以上の報酬かどうか、仕事を

  する上での成長段階、生活(ライフ)に占める仕事(ワーク)の重み、によって「働く

  価値」は異なるでしょう。

 

<追記事項_20210907_「基本的な仕事の進め方」が一番大切>

 

 … 要するに一人ひとりの働く人たちが、仕事をする上での一番大切なことに忠実に仕事をすることです。

 

 例)コミュニケーション良く仕事をすること

 例)相手の仕事がしやすいように自分の仕事をすること

 例)目的観や意義観をしっかりもって仕事をすること

 例)仕事に関する知見を高め深め広げ、仕事の道具を磨くこと

 例)指揮命令に服し賃金(生活の糧)を得ることのみを仕事にしないこと

 例)品質(Quality)と原価(Cost) と納期 (Delivery) を自己管理すること

 例)目標を掲げ、一日一回P-D-CーAを回すこと

 例)心身の健康、ワークライフバランスを保つこと

 

<以下原文>

 

1.「思いやり」が一番大切だと言ってくれた新入職員

 

 ある企業の新人オリエンテーションで、筆者が、「皆さんがこれから仕事をする上で、一番大切なことは何だと思いますか?」と問いかけてみたところ、「思いやり」という言葉が返ってきたので、とても嬉しく思いました。

 

 孔子が弟子に「人間にとって一番(そうでなければ人間でなくなってしまうほど)大切なこと)は何ですか?」と聞かれて、「それ、恕(じょ)か」と答えたのと、同じような意味だと思います。「生きる」上でも「仕事をする」上でも「思いやり」が一番大切だと…

 

2.仕事をする上で(仕事をする人として)大切なこと

 

 上記に触発されて、「仕事をする上で(仕事をする人として)大切なこと」を、人格的要素の「資質や態度」の側面での、「トップ5」を挙げてみました。結局のところ、こういうことが採用基準・育成基準・評価基準になるのではないかとも思います。

 

 ① 勤勉であること … 仕事に向き合う真摯さ。怠らない。

 ② 誠実であること … 仕事の相手に向き合う誠実な態度。嘘やごまかしがない。

 ③ 謙虚であること … 何ごと(何びと)からも学び成長しようとする。驕らない。

 ④ 親切であること … 仕事の相手への気づきと配慮。思いやり。

 ⑤ 信頼できること … 仕事の結果と品質へのコミットメント。腕の確かさ。  

 

 また、能力的要素のうち、「知識や技術」以外の、人格的要素に近い部分で、同様に仕事をする上で(仕事をする人として)大切なこと」の「トップ5」を挙げてみました。これらは育成基準・評価基準・処遇基準になりうるでしょう。

 

 ① 意思疎通能力 … コミュニケーションとイマジネーション。分かり合える能力。

 ② 人間関係能力 … 相手や周囲との良好な人間関係づくり。協力し合う能力。

 ③ 問題解決能力 … 困難や障害を乗り越える。そこを何とかする能力。

 ④ 自己管理能力 … 意欲・健康・計画の自己管理。自分で何とかする能力。

 ⑤ 自己成長能力 … 謙虚に気付き、学ぶ。成長する能力。

 

3.「仕事をする上で一番大切だと思うこと」の共有化

 

 これらは、実はわれわれ自身が日常の生活で接する「仕事をする人たち」や、企業の職場で接する「部下にあたる人たち」に期待することではないでしょうか。それらは翻って「仕事をする自分」や「上司(部下)にあたる自分」への期待でもあるはずです。

 

 但し、以上はあくまで筆者の「私見」でしかありませんので、今後とも機会があればより多くの新人層や管理職や経営者の皆さんに問いかけてみようと思います。そうしてより多くの人たちと「仕事をする上で一番大切なこと」を共有化できれば嬉しいです。

 

<追記事項>「人」か「仕事」か?

 

1.人が「仕事」に就くのか、仕事が「人」に就くのか?

 

 … NHKのラジオ放送で、サラリーマンから起業した人がインタビューに答えて、「最初は『人が仕事に就く』のだと思っていたが、最近は『仕事が人に就く』のだと思うようになった」と言っておられましたが、筆者もおおいに同感です。

 

 少なくとも「仕事(=働くこと)」が「労務に服して賃金を得る」ことに留まる限りにおいては「人が仕事に従属する」という側面が強く、やがて「仕事」を通じた「人」の成長が進むとともに「仕事が人に従属する」ようになるようになる…

 

2.評価は「仕事」に対してするのか、「人」に対してするのか?

 

 「良い仕事」というのは、例えばどのような仕事かを筆者が思いつくまま列挙すると下記の通りです。こうしてみると、「良い」という評価は、その人の「仕事そのもの」への評価でもあり、その人の「仕事のしかた」への評価でもように思います。

 

 ① 正確・迅速・丁寧な仕事

 ② 品質が良く、コストも軽く、納期も守る仕事

 ③ 人間的・社会的な目的を達成し、価値を生む仕事

 ④ 相手への思いやりや、相手のニーズに合った仕事

 ⑤ やりがいのある、自分の成長につながる仕事…

 

3、報酬は「仕事」に支払うのか、「人」に支払うのか?

 

 例えば「仕事給」や「役割給」は「仕事」に支払う報酬であり、「扶養給」や「能力給」は「人」に支払う報酬でしょう。「仕事」に支払うほうがより経営合理的であるように見えますが、人間的・社会的に「それで良い」かどうかは別問題です。

 

 「報酬は仕事に支払うのか」に支払うのか?」という問題は、実は給与設計の根幹的な考え方にかかわる問題であって、少なくとも筆者は「人に支払う」部分を基礎に置くべきであり、その基礎の上に「仕事に支払う」部分を構築すべきだと考えます。

 

<追記事項>仕事を通じて得られるもの

  

1.その時代・時代における「人間らしさ」

 

 「仕事(働くこと)」を通じて、われわれ人間が追い求めてきたものはいったい何でしょうか。様々な価値観があろうかとは思いますが、それは結局、その時代・時代における「人間らしさ」であったに違いありません。

 

 現代では、「仕事(働くこと)」が「労務に服して賃金を得る」と定義され、働く人々が「対価として得られる賃金」を追い求めることがモデルですが、その「賃金」でさえ、現代という時代なりの「人間らしさ」を追求するための手段であり、目的ではないはずです。

 

2.働くことそのものの目的や価値

 

 また、現代という時代においてさえ、「賃金」と同等またはそれ以上に、「仕事(働くこと)」そのものの目的や価値、「仕事(働くこと)」を通じて達成され・実現される人間的・社会的な目的や価値を、多くの人々は追い求めているはずです。

 

 「仕事(働くこと)」を通じて、例えば「自由」「平等」「平和」という人間的・社会的な目的や価値を達成し実現することを第一義として追い求めている人々や、「仕事(働くこと)」を通じて「自己成長」を追い求めている人々も決して少なくないはずです。

 

3.筆者自身は・・・ 

 

 …筆者自身は、今まで30年以上、企業の人事管理という「仕事(働くこと)」を続けてきましたが、それを通じて得られた「生活の糧」以外の最良のものは、自分自身にとっては「人と組織・企業・社会に対する知見」とでも言うべきものです。

 

 その知見をもって、組織や企業の中で「仕事(働く)」人々が、人と組織との最適関係(人と人との最適な協働関係)において、より人間的で社会的な目的を達成し価値を実現できるように支援することを、同時に筆者自身の目的や価値としたい、と思います。

 

<追記事項>「より良く働く」ということ

 

1.「より良く働く」ことは同時に「より良く生きる」こと・・・

 

 誰しも一度は「自分は何のために生きるのか?」という疑問に直面したことがあったはずです。筆者も学校の教師が発した「なんのために生きるか?」の問いかけに、結局のところ「より良く生きるために生きる」という回答しかできなかった記憶があります。

 

 学校を出て企業の採用面接に臨み、「君は大学4年間を通じて何をして来たのか?」と問われ、「(そんなこと言ったって)あれにもこれにも思い悩み苦しみ(楽しみ?)ながら生きてきましたという以外に答えようがない」と思ったこともあります。

 

 社会人として「何のために働くのか?」と自問したときもほぼ同じで、「独立生計者としての必要最低限の糧を自ら得る」以上には、「より良く働く(より良く生きる)ため」という答え以外には、今日に至るまでほとんど全く出会えていません。

 

2.人にとって「より良い」ことが、同時に自分にとって「より良い」ことであるように・・・

 

 では何(どういうこと)が「より良い」生き方や働き方であるのかとさらに自問すれば、それは「生計の糧を得る」以上には、ひとつには自分が生きる(働く)ことで、何らかの人間的・社会的な目的を達成し、価値を実現することだとしか考えようがありません。

 

 ここで言う「何らかの人間的・社会的な目的や価値」とは、単に経済的な財やサービスにとどまらず、例えば(ほんの例示ですが)、人間と社会の自由や平和や幸福、また、それを含む自然や宇宙の

循環や調和、とでも言うべきものでしょうか。

 

 また、生きる(働く)ことで何らかの人間的・社会的な目的を達成し、価値を実現したいという思いを同じくする仲間との協働を通じて、自分自身を人間的にも社会的にも成長させることが、生きる(働く)ことの意義であり(自己)目的であると言えるでしょう。

 

3.「働く」ことは人を成長させずにはおかない。

 

 かつての筆者の部下は「自分自身が学習し、成長するということが、自分にとっての最大の動機づけです。」と言い、また別の部下は「ただ仕事ができるようになる、というだけでなく仕事をすることを通じて人間的にも成長したい。」と言いました。

 

 別の部下は、「働くことで誰かの役に立っていることが仕事のやりがいだし、何よりも『有難う』と言ってもらえることが最大の報酬です。」と言いました。これらの素朴で純粋な思いこそ、人間にとって「働く」ということの本質を言い表していると思います。

 

 また「最後は人格」であり、企業トップとして栄華を極めた人であっても、最後に問われるのは「人格」です。いずれにしても「働く」ことはそれを通じて人を成長させずにはおかず、もしそうでないなら、「働く」ことが「疎外された労働」に陥ってしまうでしょう。

 

<追記事項>結局は「人」、最後は「人格」

  

①仕事の出来も不出来も結局は「人」

 

 サービス業ならなおさら、たとえ製造業であっても、利用者・消費者の手に届き、その満足を得るまでには、多くの「人」の手(実際には、「手」だけではなく、意識や行為)を介するのですから、仕事の出来も不出来も、結局はそれに携わり、関った「人」次第です。

 

②企業も組織も結局は「人」

 

 「良い会社」とか、「良い職場」とか言う場合も、設備や環境を言う場合より、その会社や職場が、主にどういう「人」によって構成され、日々日常、どういう態度や言動をしているかによって「良い」かどうかが決まるのですから、結局、企業も組織も「人」次第です。

 

③採用も評価も処遇も結局は「人」

 

 採用では資質・能力・指向・言動、評価では態度・能力・実績、処遇では功と徳、にそれぞれ「着眼」して下さいと筆者は言うだけで、結局はその「人」をよく見て採用・評価・処遇をしてほしいと、常に思っています。

 

④知識や能力だけでは仕事はできない。

 

 「作業遂行型」の仕事に徹すれば知識や能力だけで出来るかも知れませんが、それでさえ「経験」や「熟練」が必要であり、また、さまざまな制約や障害に対して「解決する力」が必要です。結局それができるかどうかはその「人」次第です。

 

⑤問題を解決するのは結局その人の「人格」

 

 「問題解決型」の仕事をしている人はなおさらで、およそ仕事上生じる問題は自分ひとりの知識や能力だけではどうにもならず、周囲や相手から理解や協力を得て初めて解決できるものであり、結局その「人」の人格的要素が決め手です。

 

<追記事項> 「職業選択にさいしての一青年の考察」(カール・マルクス)から

 

 以下引用です。

 

 職業の選択にさいしてわれわれを導いてくれなければならぬ主要な導き手は、人類の幸福であり、われわれ自身の完成である。これら両方の利害がたがいに敵対的にたたかいあうことになって、一方が他方をほろぼさなければならないのだなどと思ってはならない。

 

 人間の本性というものは、彼が自分と同世代の人々の完成のため、その人々の幸福ために働くときにのみ、自己の完成を達成しうるようにできているのである。われわれが人類のために最も多く働くことのできる職業を選んだとき、重荷もわれわれを屈服させることはできないであろう。なぜなら、その重荷は万人のための犠牲にすぎないからである。

 

 またそのとき、われわれは、貧弱で局限された利己主義的な喜びを味わうものではない。そうではなくて、われわれの幸福は数百万人の人々のものであり、われわれの行為は、静かに、しかし永遠に働きながら生きつづけるのである。