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より良い明日_Development ☆

 

1.発達即原理(Development is Principle)

 

 「発達即原理」という言葉は中国の偉大な指導者であった鄧小平氏の言葉で、「十億を超える人民を動機付ける原理は『明日は今日より必ず良くなる』という確信を持たせることだ。」という意味だと筆者は解釈しています。

 

 生身の人間である限り、全てが「明日は今日より良くなる」というわけには行きませんが、そこを何とかして「明日は今日より良くなる」と思えるようにすることが、多くの人間の生きる動機付けになるはずです。

 

 但し、ただ漫然と「明日は今日より良き日であれ」と他力本願に願うのだけでは「良き日」は訪れないことの方が多く、もっと主体的に「明日を今日より必ず良くする」という「生きる意思」であると言って良いと思います。

 

 このことを「仕事」や「成長」に置き換えても同じで、「明日は今日より良い仕事をする」という意思や「明日は今日より成長した自分になる」という意思を持ち、努力を尽くすことが、「仕事をする意思」であるはずです。

 

2.より良い明日のために自己投資すること

 

 「投資無ければリターン無し」という原理は、企業だけではなく、「仕事」にも当てはまります。つまり、日々目の前の「労務」や「作業」に自分の資源(おもに自分の時間)を消耗してしまっていては、明日の発展も成長も望めません。

 

 誰でも一日は24時間しかなく、今日の何時間を「より良い明日」(「より良い仕事や自分」)のためにやりくり捻出して投資するか(それともそれを単なる余暇や享楽に漫然と消費するか)によって、明日の状態は大きく異なります。

 

 単に仕事に関する知識や工夫だけではなく、広く職業人・社会人としての見識を深めるために、日々の「忙しさ」の中から時間を割いて「投資」するこは、いずれは「仕事」と「自分」の大きな「発達」となって開花するでしょう。

 

 ただ漫然と「忙しい」という理由で仕事の工夫にも自分の成長にも時間を投じることを怠る人は、結局明日もその先も、同じように「忙しい」という理由で同じ「状態」を脱することができないでしょう。

 

3.目標を持って主体的に仕事をするということ

 

 MBOは、「目標管理」という訳語で通用していますが、筆者はあえて疑念を呈します。MBOが単なる「業績数値万能のノルマ主義」と混同されて運用されているとしたら、その遠因のひとつはこの訳語に発すると感じるからです。

 

 提唱者であるドラッカーの言う「目標管理」の語源は、MBO=Management by Objectives and Self Controlであり、Objectives は、辞書的には確かに「目標」と訳されて良いかも知れませんが…。

 

 しかしながら、筆者は、Objectivesという言葉の意味を、「動機付けの対象」と理解します。言い換えれば「こうしたい」と希求する仕事の完成状態や、「こうありたい」と希求する自分の成長状態こそがObjectivesなのです。

 

 さらにand Self Controlという言葉の意味を考え合わせれば、それが組織による強制ではなく(つまり「ノルマ」ではなく)、個人にとって「自発的で内発的な動機付けの対象」となっていなければならないはずです。

 

 MBO(Management by Objectives and Self Control)とは、正しく訳せば「目標を持って、主体的に仕事をすること」です。それは「明日を今日より良くすること」への自発的で内発的な動機付けの自己マネジメントなのです。

  

4.自己実現に向けて成長すること

 

 下図は有名なマズローの「欲求五段階説」を図示したものですが、これは、人間が自己実現への欲求(=そうありたいと希求するところに向けての自己成長の欲求)によって自発的・内発的に動機付けられていることを表しています。

 

                      成長の欲求 ⇒ 自己実現

                   自尊の欲求

                親和の欲求

             安定の欲求

          生存の欲求

 

 筆者はこれを「人間はより良く生きることに動機付けられている」と解釈しています。不安定であるよりは安定的に、競争的であるよりは親和的に、相互を尊重し、相互の実現に向けて、相互に成長しようとするのが人間です。

 

 「明日を今日より良く生きたい」と希求し、それを通じてますます「こうしたい」「こうありたい」と希求するところの自己(相互)の実現に向けて日々自己投資し自己成長することがDevelopmentなのです。

 

<追記20160110>人間にとっての「働くこと(労働)」の意義

 

 おそらくは人生のうちで最も輝かしい時期の、かけがえのない日々の時間の大半を費やして、われわれは「何のために働くのか?」と問われるなら、読者各位なら、「生活の糧を得るため」と答えるでしょうか?

 

 しかしそれでは、「労務に服して賃金を得るため」という、近代資本主義社会における「賃労働=疎外された労働」の定義そのものに、「働く」ということの意味を狭く限定し、貶めてさえしまうことになると思いませんか?

 

 「働く」とは、本来、人間にとっての目的や価値を実現するために、社会的に協働することであって、その目的や価値は、単に経済的な豊かさにとどまらず、例えば平和や自由や幸福という、人間にとっての目的や価値であるはずです。

 

 また、企業や組織とは、人と人が、人間にとっての目的を達成したり、価値を実現したりするための、人と人の協働体であるはずで、企業や組織に従属し、「労務に服して賃金を得る」だけの人々から成るわけではありません。

 

 いわゆる「目標管理」が、「ノルマ主義」に転じてしまうとしたら、それは、その企業や組織が、その目的や価値を共有する人々から成るのではなく、そこに従属し、「労務に服して賃金を得る」だけの人々から構成されている証左です。

 

 人間は本来的に「自己実現」に向けて動機付けられているはずです。ただし、「自己実現」の「自己」は、決して「利己」ではなく、また「実現」とは人間としての社会的な目的や価値の実現が同時に諸個人の「実現」であるはずです。

 

 さらに言えば、人間は「自己実現に向けた自己成長」に向けて動機付けられているはずであり、それが「働くこと」を通じて達成される以上に、何によって達成されるのでしょうか?

 

 マズローの言う「低次元の諸欲求を満たすには、例えば給与水準の向上や職場環境の改善が最低限の必要であるとしても、実はそれだけでは、人間にとって「働くこと(労働)」の本来的な意味は獲得できないと筆者は信じます。

 

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