「考えることは悩むこと、書くことは苦しむことだ」「あれにもこれにも死ぬほど苦しんで来た、と言えることが唯一の誇りだ」というのはいかにも太宰治氏らしい言い方ですが、筆者は大いに共感を覚えます。
筆者自身、「成長」は、「忍従の夜と諦めの朝」(これも太宰氏の言葉)を何度も重ねた「後」にしか感じませんでしたし、学習も成長しない部下に対して「もう少し悩み、苦しむほうが良いのではないか?」と何度も思いました。
文学的な表現を別にしても、「産みの苦しみ」は多くの母親たちにとってリアルな実感であるはずで、それと同様に「成長の苦しみ」も多くの子供たちにとってリアルな実感だと思います。
さらに同様に「組織の生成と成長」においても、人と人との間で、実にさまざまな不調や軋轢や対立さえあるのはいわば「当然」であり、そうした「忍従の夜」を何度も通り抜けてはじめて「明るい朝」が来るのだろうと思います。