1_2 こういう面接をしてはいけない

 

(1)採用選考の3つの方法

 

 採用選考の方法は、通常、筆記、面接および観察の3つであり、面接法と観察法が中心です。本来は「しばらく仕事を一緒にしてみる」という方法がベストなのですから、それに準じる方法として面接と観察を行って下さい。

 

  筆記法 …  一般教養を問う筆記試験、専門知識を問う筆記試験など

  面接法 …  原則として1対Nのコミュニケーション面接

  観察法 …  グループディスカッションの様子を観察評価する手法

  

 観察法については 下記をご覧下さい。

 

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グループディスカッション評定票.xlsx
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<グループディスカッション評定票の使用例>

 

① 応募者4~5名、評定者2~3名を想定します。

② ディスカッションのテーマを設定し、グループとしての結論をまとめるよう指示します。

③ テーマの例としては「仕事をする上で一番大切なことは何か?」など。

④ ディスカッションの時間は20分~30分程度とし、進行役と書記役は互選とします。

⑤ 結論発表が終わったら評定者間で評定結果について意見交換して下さい。 

 

(2)面接選考のNG事例

 

①候補者が極度に緊張したまま終わる面接

 

 候補者が極度に緊張してほとんどまともなやりとりができないような面接はNGです。それだけで人の採否を速断してはなりません。能力や適性が高いか低いかという問題ではなく、「面接自体が成り立っていない」からです。

 

 もし候補者が、それだけで不採用とするにはいかにも「惜しい人」であるなら、「今日はとても緊張されているようですから、ご希望があるようでしたら、また別の日にしましょう。」と伝え、再度の機会を与えるべきです。

 

②候補者があらかじめ用意してきた「台本」を読み上げるような面接

 

 例えば「志望動機は何ですか?」「得意分野は何ですか?」「どんな仕事がしたいですか?」という「お決まり」の質問に、「待ってました」とばかり、暗記してきた「台本」を滔々と述べるように答える人がいたら要注意です。

 

 面接官の側も「一問一答」のやりとりに終始せず、「それはなぜ?」とか「具体的には?」「その他には?」などと、どんどん「突っ込み」を入れて、候補者が用意してきた「台本」を役に立たなくしてしまわなければなりません。

 

③ 話がかみ合わない面接

 

 採用ミスを問われるケースで最も多いのが「コミュニケーション能力に欠ける」というものです。コミュニケーション能力は、組織で協働しながら仕事を進める上で最重要な能力ですので、これに欠ける人を採用した責任を問われるのは当然です。

 

  相手の言うことに耳を傾け、その意味や意図を理解し、簡潔明瞭かつ親切丁寧に応答することは最低限のコミュニケーション能力ですが、それにさえ欠ける人(適性上の問題)を見過ごしてはなりません。

 

④ 候補者がYES-NOしか言わない面接

 

 面接官がほとんど一方的にしゃべり過ぎ、候補者の発言がほとんどない面接、候補者が「はい」か「いいえ」としか言えない「短答式試験」のような面接、一問一答のやりとりで終わってしまい、後に続かない面接はNGです。

 

 配属先の職場から、「採用ミス」を問われるケースで最も多いのが「コミュニケーション能力や組織的・社会的適性に欠ける」と言いながら、「採用面接」そのものでコミュニケーションが成り立っていないようでは話になりません。

 

⑤ 候補者の適性を本人に聞くような面接

 

 これも冗談のようですが、例えば候補者の「協調性」を判定しようというのに、「あなたは協調性がありますか?」という質問をする面接官が本当にいます。質問するなら、せめて「自分自身のパーソナリティーをどのように自己分析していますか?」でしょう。

 

 その上で、「一問一答」のやりとりで終わらせず、「それはなぜ?」とか「具体的には?」「その他には?」などと、面接官の側からどんどん「突っ込み」を入れて、協調性の有無・態様に関する心証を形成するプロセスが必要です。

 

⑥ 採否のはっきりしない面接

 

 上記のような候補者との対話を通じて、面接官自身が、候補者の適性について「どのような心証を形成したか?」「採否判定を下すのに十分な心証を形成することが出来たか?」「採否いずれとするか?」という点が重要です。

 

 まるで合議制の裁判のようですが、複数の面接官で意見調整して、少なくとも採用選考プロセスとしての採否判断を下すべきです。逆に言えば「良く分からない」とか「どちらとも言えない」という無責任で先送りの判断はNGです。 

 

⑦ 「気になる点」をそのままにしてしまう面接

 

 未熟性(受動的、依存性、単純な行動、浅く移り気な興味、短期的展望、従属的、自己認識の欠如等)について、候補者が今まで経験した出来事やエピソードを聴きだす中で面接者として「気になる点」についてチェックして下さい。

 

 ペーパーテストをいくら工夫しても、面接官が面接の場で実際に「感じること」や「気になる点」に優る感度は簡単には得られません。面接選考は必ず複数人で行い、お互いの「感じたこと」「気になった点」をそのままにせず、必ず共有化してください。

 

⑧ トレーニングやミーティングのない面接

 

 人事評価者向けにトレーニングや、評価の目線(着眼点)合わせのためのミーティングが必要なのと同じように、採用面接官に対しても、採用選考における採否判断について、何らかのトレーニングやミーティングを行うことは当然必要です。

 

 採用面接官としては、自分の部下として新規採用者を受け入れた経験(採用の「成功」経験と「失敗」経験)の豊富な管理職が相応しいのは言うまでもなく、その経験を踏まえて、面接選考で候補者のどのような点に着眼すれば良いかについて共有化して下さい。