20231008 記
働く人たちにとって最も重要なことのひとつは、働くことそのものへの動機付けだと思います。つまり「自分は何のために働くのか?」と問われたときに、どう答えるか、という問題です。
もちろん「生活の糧をえるため」という答えがあって(答えであって)も良いと思います。自分や家族のより安心で快適な暮らしのために一所懸命に働く、という動機付けがベースにあって良いとは思います。
ではそうしたベースの動機付け要因がある程度以上に満たされた場合には、さらに何が働くことへの動機付けになるのでしょうか…筆者が同じことを問われたら、「働くことを通じて実現される価値のために…」と答えると思います。
かつて筆者の部下であった人は「仕事を通じて自分の成長を実感することが、自分にとっての最大の動機付けです」と言ってくれました。「人間的にも社会的にも成長すること」が「働くことを通じて実現される価値」のひとつだと思います。
世の中には自らの利得を一切顧みず、例えば「人々の自由や平和や幸福」の実現のために献身的に働いている人たちがたくさんいます。そうした人たちにとっては「より多くの人々の自由や平和や幸福の実現」が最大の動機付けであるはずです。
では筆者自身は…親元を離れてひとりの職業人として立つことが若いころからの動機付けでした。いわゆる大企業に就職して満足のいく地位や報酬を得て、自分や家族の安定した生活を築くことが動機付けでした。
しかし大企業や大組織に依存して働くことと、一人の職業人・社会人として立つこととの間には大きな違和感がありました。もちろん不安感も大きく、筆者の場合は定年後にようやくその思いを実現することが出来たように思います。
<つづく>