仕事の能力より仕事の仕方 ☆

 

 どんな仕事でも、仕事が出来る人と出来ない人との間には、いくつかの分かれ目があるように思います。そのことは自分が仕事をする立場でなく、人の仕事を通じて財やサービスの提供を受ける立場で考えるとよくわかります。

 

 せっかくの「働き方の改革」も「働くこと(仕事)」そのものの主体性や質や価値を高めるのでなければよりむしろ「働き方の退化」に陥ってしまいます。この機にもういちど自分自身の「働き方(仕事のしかた)」を見直すべきでしょう。

 

□01 正確・迅速・丁寧を習慣化している。

 

 どのような仕事であっても、仕事の基本は「正確・迅速・丁寧」だと思います。

 

 ① 仕事の正確さを担保する習慣を身に付けている。

 

  … たとえば逐一チェック、照合チェック、合計チェック、交換チェック、読み合わせ

  チェック、翌朝チェック、常識チェック…等々、正確な仕事ができる人は自分がミスを

  おかしやすいケースを自己認識して自己チェックをかけています。

 

   人間の仕事には「ケアレスミス」は付き物です。しかし、「次から気を付けます」で

  は「正確な仕事」は成り立たない。重要なことは「その瞬間に自分のミスに気付いて直

  ぐに改める仕組や方法や習慣」を持っているかどうかです。

 

 ② 仕事の迅速さを担保する習慣を身に付けている。

 

  … 仕事の早い人はほとんどいつも早く、仕事の遅い人はほとんどいつも遅い。仕事の

  早い人は段取り・取り掛かり・人への依頼が早く、遅い人は遅い。つまり仕事の早い遅

  いはスピードの問題ではなくタイミングの問題、仕事の能力でなく習慣の問題です。

 

   「忙しい」ことをその仕事をしない・出来ない言い訳にする人が多いのですが、誰で

  も1日24時間、1年365日しかなく、あとはその「使いよう」です。また「忙しい

  」と言うのは相手に「そんな仕事は優先順位が低い」と言うのと同じです。

 

 ③ 相手の目線で丁寧・親切なひと手間、ひと工夫ができる。

 

  … 全ての仕事には「相手」があり、相手のニーズ・事情・都合があります。 それを

  無視して自分の都合だけで「仕事」をしてはならず、また、仕事をリリースする最後の

  瞬間まで気を抜かず、手を惜しまず抜かず、相手の視点でもうひと工夫することです。

 

   どんな仕事にも「相手」がいます。それらの人たちが何をどんな状況でどう考え、ど

  う感じているか、何を求めているかが「見えて(気付き・感じて・考えて)(配慮し・

  想像して)」いるかどうかです。

 

 <追記事項_実は「最も基本に忠実」である。>

 

 ① 高度なプロフェッショナルほど「最も基本に忠実である」です。例えばプロのゴルフ

  プレーヤーは、基本的な動作を、最も基本に忠実に、アマチュアの何十倍も繰り返して

  トレーニングするのだろうと思います。

 

 ② 言い換えれば「最も標準に忠実である(最も標準的な仕方で仕事をする)」と言える

  と思います。基本や標準をしっかりと身に付けた上でこそ、自由と応用が利くのだろう

  と思います。

 

□02 その仕事に自分自身を動機付けている。

 

 ① その仕事を「好き」でやっているのと「嫌々」やっているのとでは、根本的な動機付

  け要因が違います。「好き」でもなく「愛着」もない仕事や企業に興味も責任も持た

  ず、「労務に服して賃金を得る」ことはやめましょう。

  

 ② 上記と同趣旨ですが「働く」ことそにものに自分自身が内心から動機付けられている

  か、それとも「賃金」や「生活」のために、または「上司」や「組織」によって自分自

  身の外側から動機付けられているか、ということです。

  

 ③ 一見毎日同じことの繰り返しに見えるような仕事でも、より「正確・迅速・丁寧」

  に、またより「品質・コスト・納期」を上げようと最後まで手間を惜しまず、謙虚に学

  習するのとしないのとでは仕事の出来が大きく違います。

 

 ④ 仕事や仕事をする条件や環境への不満、仕事に関する人間関係への不満など、仕事を

  する上での不満は数多いでしょうが、仕事ができる人たちは、それをそのまま仕事への

  意欲の低さや出来の悪さの言い訳にせず、自分(たち)で何とかしています。

 

 ⑤ 「分からなければ自分で調べ、人に聴きなさい」「できない言い訳よりできる工夫や

  努力をしなさい」「指示を待つのでなく自分から提案しなさい」というのは新人への期

  待レベルであるはずです。仕事ができる人たちは皆そうしています。

 

 ⑥ 例えば自分の時間を自分でコントロールできているかどうか。また自分の仕事のしか

  たを自分自身でコントロールできているかどうか。自分が自分を通じて仕事をコントロ

  ールしているか、他者が自分を通じて仕事をコントロールしているかです。

 

 ⑦ どんな仕事にもそれを通じて達成しようとする目的があり、それを通じて実現しよう

  とする価値があり、仲間と協働してそれらを達成・実現することに喜びがあるはずで

  す。仕事ができる人はそうした目的や価値の達成や実現を日々意識しています。

 

 ⑧ 仕事で実現できる価値は、必ずしも定量的価値でも経済的価値でもなく、もっと人間

  的で社会的な諸価値(例えば「平和」や「自由」や「公平」)でありそれらを実現する

  ために働いている人たちが現にいます。

 

 ⑨ 仕事ぶりが認めら、その仕事を一任され、「ああしよう」「こうしよう」という主導

  権や決定権を持つようになればますます主体的に取り組むことができます。仕事は誰か

  に「決めてもらう」ものではなく「自分で決める」ものです。

 

 ⑩「仕事」は単なる「作業」ではなく、何らかの人間的・社会的な目的を達成したり価値

 を実現する(=各自が責任を持って(最終的には組織としての)「結果」を出す)ための

 人間的・社会的な協働であるはずです。

 

 ⑪ 仕事ができる人は仕事をすればするほど成長する人です。「仕事」を通じて得られる

 のは何らかの人間的・社会的な目的の達成や価値の実現であると同時に、仕事をする人

 たちの人間的・社会的な実現成長です。

  

□03 コミュニケーション良く、チームプレイが上手い。

 

 ① 仕事が上手く行く・行かないはその仕事の上でのコミュニケーション次第です。仕事

  には必ず「相手」があるのだから、その「相手」とのコミュニケーションの良し悪しは

  仕事の出来に大きく影響します。「報告・連絡・相談」は仕事の基本です。

 

 ② 仕事ができる人に多い特徴のひとつは「クイックレスポンス」ではないでしょうか?

  「できる・できない」の判断も回答も早いのです。仕事の見通しも手配も早い。分から

  ないことや困ったことがあっても「ノーレスポンス」にしない人が多いようです。

 

 ③ 組織協働的に仕事をするということは、サッカーのゲームと同じように、チームメイ

  トにとって最適の(inputとなるように)パスを出す(outputする)こと、そのパスをつ

  ないで最終的なゴール(組織としてのoutcome)に結び付けることです。

 

 ④ 仕事ができる人は、「こうしたい(ありたい)」という「目標」を掲げ、それに向け

  て日々P(Plan) - D(Do) - C(Check) - A(Action)しています。また、Q(Quality:品質)

  C(Cost : コスト) D(Delivery:納期)を組織的にでコントロールしています。

 

□ 04 「できない言い訳でなくやる努力・工夫」をしている。

 

  ① 「言い訳をしない」「人のせいにしない」「相手のことを考える」等々はいずれも親

  が子に諭すようなことですが、一人前の社会人の、基本的な仕事の進め方についても、

  実に同じ教訓が通用します。

 

 ② 一人前の社会人の中にも、仕事ができない言い訳を、自分の能力や努力や工夫以外の

  せいにして言い逃れしようとする人たちが実在します。仕事上の成果や解決は、現実の

  さまざまの制約や障害を何とかして切り抜けること以外には得られないのです。

 

  特にたちの悪いのは「人のせいにする」ことで、企業組織の中にも、「仕事の成果が

  出ない」のを、他部署のせいにする、上司のせいにする、ひどい例では、会議の場で公

  然と部下のせいにするような上司もいます。

 

 ④「仕事」は「人と組織を通じて」こそ成果や解決が得られるのですが、「天は自ら助く

  るものを助く」との言葉どおり、「人と組織」も、自らの努力や工夫や苦労を惜しんで

  仕事が出来ないことを人のせいにするような人には理解も支持も協力も与えません。

 

<追記事項_20211212>

 

 ⑤「私は~します」と言い、言ったことを必ず実行している。

 

  … 一般論として「~すべきだ」と言ったり、人に向かって「~すれば良い」と言うこ

  とは簡単です。組織的な協働というのは「私は~します」と言い、言った通りできる人

  たちどうしが協働することだと思います。

 

 ⑥「PDCA」が短期サイクルにおいても長期サイクルにおいてもしっかり回っている。 

 

  … 朝に「今日はこれをする(P)」と心に誓い、昼に「それを実行(D)」し、夕に

  「できたかどうか(C)」を振り返り、夜に「明日はこうしよう(A)」と思いを巡ら

  す…そうしたサイクルが、日・週・月・期・年のサイクルでしっかり回っているか…。