1.仕事をする上での健康のバランス
「仕事をする」上でまさに「健康は資本」です。「健康」を損なっては「元も子も」ありません。「体の健康」と「心の健康」に加え、これらを土台(両軸)に「仕事への意欲や動機付け」を保つことが「仕事をする」上での原動力です。
2.体の健康を保つ
「体の健康」を保つ方法に特別なものはなく、食事・睡眠・運動を含む生活習慣の改善向上以外にありません。良識と責任ある職業人・社会人として、常日頃から「体の健康」を日常的に自己管理すべきでしょう。
3.心の健康を保つ
「心の健康」に関して、筆者は企業の人事労務の仕事に長く携わり、多くの人々のメンタルヘルス上の問題に関わって来ましたので、その経験をふまえて、「自分自身のメンタルヘルスを保つポイント」のいくつかを紹介します。
①どうしようもないことで悩まない
過去に生じたことはいくら思い悩んだところでもはや「どうしようもないこと」です。自分の心が過去へのネガティブな思いに向かいそうになるのを自覚的に「引き留め」て将来へのポジティブな思いに向けるべきです。
また、自分が思い悩んでいることは、別の(思い悩んでいる自分自身以外の)立場や観点から見たり、あとになって振り返れば、実は「何でもないこと」や「どうでもよいこと」が多いものです。そのことに自分が早く気づくことも重要です。
「健康の秘訣は忘れることだ」と言った人がいます。「悪いことは忘れる」ことを習慣にしいると言う人もいます。「忘れるように努力する」「やり過ごす」ことも時には必要です。「全ては時間が解決してくれる」という諦観も時には必要です。
②自分を責めない
人の性向は「自罰(責)的傾向」と「他罰(責)的傾向」に分類でき、自罰的傾向が強すぎると自分の心を傷つけてメンタルヘルス上の問題じ、他罰的傾向が強すぎると人の心を傷つけて対人関係上の問題を生じやすくなります。
人の体も心も傷つき易く癒え難いものです。特に心は水面に浮かぶ薄膜のように傷つき易く、またその傷が自分からも他人からも見え難いので、気付かないうちにいつの間にか深く傷ついていることが多いものです。
自分の言動や態度が人を責めてその心を傷つけようとすることに早く気付き「手を止める」べきであるのと同じように、自分の思いや悩みが自分を責めてその心を傷つけようとすることにも早く気付いて自ら「手を止める」ことが必要です。
③自分の心の状態を知る
次のような症状のうち、少なくとも最初の二つの症状のいずれかを含む五つ以上の症状が二週間以上続く場合には「うつ病」と判断され、専門医の診療が必要であるとされています。(米国精神医学会診断基準DSM‐3)
・憂うつで沈んだ気持ち
・興味や楽しみが失せる
・食欲や体重の変動
・睡眠障害
・話し方や動作の鈍化またはイライラ
・疲れやすく気力が低下
・自己否定や自己呵責
・集中や決断ができない
・希死念慮(死ねば楽になる、死にたいと思う)
4.仕事への意欲や動機付けを保つ
「できるだけ良い仕事をしよう」と自分自身を動機付ける(Y-theory)のと、「できるだけ仕事をしないで済ませよう」と自分自身を動機付ける(X-theory)のとでは「仕事をする」ことの意味や価値は百八十度異なります。
しかしながら「仕事をする」ことを取り巻く現実は、そうした意欲や動機付けを削ぐ要素に満ちているようにも思えます。人間関係やコミュニケーションの問題、仕事が計画的に進まないなど様々でしょう。
多少の「不満要素」や「阻害要因」があっても、それに屈して意欲や動機付けを損なってはなりません。そこを何とかやり繰りし、上手く付き合い、折り合いをつけながら、プラスの動機付けを自分で保つ以外にありません。
<追記事項_20160716>WorkとLifeは、本来的には、矛盾も対立もしない。
Work Life Balance という言葉には、あたかもWorkとLifeがお互いに矛盾・対立するような語感がありますが、法令違反の過重労働の例ならともかく、両者は決して「一方を減じて他方を加えればバランスする」というような単純なものではないはずです。
本来、人間にとってWork
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