20251004 改
「忙しいから」という言い訳をしない。
「忙しさ」を克服する。
A.それは「優先順位(重要性と緊急性)が低い」と言っているのか?
人は誰でも一日24時間しかなく、その時間の使い方は人それぞれなのですから、「今は忙しいから」という言い訳は、「あなたのお誘いやご依頼は優先順位(重要性と緊急性)が低い」と言っているのと同じようにも聞こえます。
B.それは「自分の能力が低い」と言っているのか?
それともそれは「仕事の量や質に対して自分の能力が低い」という意味でしょうか。いずれにしても筆者は、仕事仲間から「忙しいから…」という言い訳を聞くたびにがっかりしますし、自分自身はそういう言い訳を使わないと決めています。
C.それは「仕事の習慣」の問題ではないのか?
仕事の能力の問題と言うよりも仕事の質や量、仕事のしかたや習慣の問題があると思います。「忙しいから…」という言い訳をしたくないなら、仕事の質や量を能力に合わせ、仕事のしかたや習慣を改める方が良いと思います。
D. ほぼいつものように早い人がいるし、ほぼいつものように遅い人がいる。
いつものように「忙しい」という言い訳をし、それが口癖になっているように見えます。何を聞いても頼んでも、ほぼいつものように遅れ遅れの対応になっています。「忙しい」と言わない人はほぼいつも早め早めの対応をしてくれます。
E.顧客や上司に向かって「今忙しいから…」と言う?
そう言えば昔、上司の指示に対して「今忙しいので…」と口答えして、こっぴどく叱られていた同僚が身近にいました。上司が組織的に仕事を進めようとするのに、部下に自分の「忙しさ」を言い訳に持ち出されては困りますよね…。
G.今人おおむね口に多忙を説く
今人おおむね口に多忙を説く
その為す所を視るに、実事を整頓するもの十に一二、
閑事を料理するもの十に八、九、
又閑事を認めて以って実事と為す。
宜(むべ)なりその多忙なるや
志有る者、誤りてこの窠(か)を踏むことなかれ。
上記は「佐藤一斎一日一語」(致知出版社)からの引用です。「忙しい」と言う言い訳をするときほど、ものごとの本質も緩急も軽重もわきまえず、どうでもいいことや無駄なことに時間を費し、肝心なことを後回しにしてしまいがち…。
誰でも常に一日は24時間です。時間は「有るか無いか」ではなく「どう使うか」です。「忙しい」という言葉は、閑事をしない口実にしても良いが、実事を怠る言い訳にしてはならない、と筆者は自戒します。
「今ちょっと忙しいから・・・」という言葉は、多忙な母親が子供に言うような言葉であり、うるさい相手を一時的に遠ざける便法のような言葉ですが、意外に仕事のやりとりの中で頻繁に使われているような気もします。
H.「忙しい」と言う人ほど多くを亡(うしな)う
こちらは筆者が医療機関等への人事コンサルビジネス行う中で得た感懐です。筆者の目には「多忙」な人たちは文字通り「多くを亡くしている(失っている)」ように見えます…。
① 「忙しい」と言う人ほど時間をうしなう。
これは当然なのかも知れませんが、筆者が「多忙」な人とアポをとろうとすると、それだけでそれが筆者にとっても本人にとっても、一定以上の時間を費やすひとつの「仕事」になってしまいます。
② 「忙しい」と言う人ほど機会をうしなう。
そうするとますます、実事に費やす時間が削られ、多くの価値を生み出すべき時間が失われてしまいます。きちんと目標を立て、その実現に向けてPDCAするという当たり前のマネジメントサイクルも失われているかも知れません。
③ 「忙しい」と言う人ほど友人をうしなう。
いつも「忙しい」ので(より正確に言うといつも「忙しそうにしているので」)当方もついつい「疎遠」になってしまいます。「ああ、こうしてこの人からは人が去っていくのだなあ」と思います。
I. 「忙しさ」を言い訳にせず、「忙しさ」の壁を突き破る力(と習慣)
「忙しさ」を言い訳にせず、「忙しさ」の壁を突き破る力(と習慣)は、「仕事の早さ(速さ・迅さ)」だと思います。「仕事の早さ(速さ・迅さ)」を身に付けること。仕事の能力というよりも、仕事の習慣だと思います。
また、速い遅いはスピードの問題でもありますが、タイミングの問題でもあります。スピードは主に能力の問題であり、タイミングは意識の問題であり、習慣の問題です。
また、仕事には、ほぼ必ず「相手」があるのですから、相手の状況を無視して、タイミングを無視して、自己中心的に、ただ単に「早い(速い・迅い)」だけでは、かえって仕事が上手く行きません。