hrms-jp  人事労務マネジメント研究会
  • ホーム
  • 令和7年税制改正をふまえた税務申告と年末調整
  • 人事マネジメントのAtoZ
  • 基本的な仕事のしかたのAtoZ
  • 人事の悩みごと(コラム)
  • 働き方改革懇談会
  • 人事労務マネジメント様式集

筆者が言いたかったこと_Z

 

1.何のために「仕事をする(働く)」のかということ

 

 生きることの目的がより「良く生きる」ことであるのと同様に、仕事をする(働く)ことの目的は、何かの手段であるだけでなく「より良く仕事をする(働く)」ことであるとしか言いようがないと思います。

 

 そもそも人間にとって「労働=仕事をする(働く)」ということは、単に経済的な価値を得るためものではなく、もっと人間的・社会的に豊かな目的(例えば「平和」や「幸福」)を達成し価値を実現するということであるはずです。

 

 そして個々の人間がばらばらに「労働=仕事をする(働く)」のではなく、「組織的・社会的に協働する」ことがその本質であって、そのことを通じてこそ、人間は自身をより人間的・社会的に豊かに成長させていくのでしょう。

 

2.仕事を通じて自分を成長させるということ

 

 職種ごとの専門的ソリューション能力は必要ですが、そのためには、その基礎となる能力、すなわち、いわゆる「IQ」だけではなく、それを横軸とし「EQ(こころの知能指数)」を縦軸とする「SQ(社会的能力)」が必要です。

 

 「SQ(社会的能力)」の中でも「コミュニケーション能力」は仕事を進める上で必須の能力であり、まさに「コミュニケーションの力」は「仕事の力」であり、これに基づく「人間関係の力」もまた「仕事の力」です。

  

 また人事評価で何を評価するかは企業によって異なりますが、「態度・能力・実績」や「行動と成果」が評価されるのが一般的です。「態度」や「行動」の中では「誠実性」や「責任感」や「協調性」や「主体性」が重要です。

 

3.「仕事を通じて自分自身を成長させること」が仕事をする(働く)ということの意味

 

 上記はあらゆる「仕事をする」上での共通的要素です。偶々「人事評価の要素になっていようがいまいが、ひとりの職業人として「当たり前のこと」であり、評価を得るためではなく、より良く(良い)仕事をする上で必要です。 

 

  実務の世界では「教場」や「机上」の理論や知識は、それだけではほとんど全く通用せず、「現場」での実践と検証が必要です。日々現実に生起する諸問題との悪戦苦闘や試行錯誤(理論と実践)の積み重ねこそが「仕事の力」です。

 

 日々の学習を怠らず、日々の思慮を深め、日々の実践を通じて、自分自身を育成ること。「より良く(良い)仕事をする」ための学習・思慮・実践を通じて、自分自身を成長させることが「仕事をする(働く)」ということです。

 

4.仕事をすることを通じて成長段階を経て行く。

 

 仕事を、「指示命令に服して賃金を得る」ための「労務や作業」に貶めてはならず、仕事の「目的」や「相手」、「価値」や「ニーズ」に対する想像力と創造力を高めることが、仕事の質の向上と自分の能力の向上に同時につながります。

 

 仕事の基本は「正確・迅速・丁寧」であり、これが「品質・コスト・納期」につながります。特に「迅速かつプロアクティブ」であることは仕事の「競争力」にもつながります。また、「報・連・相」も仕事の「リテラシー」です。

 

 以上のようにして、自分自身の「仕事をする(働く)」レベルを、「指示命令にって仕事をする」レベル⇒「判断しながら仕事をする」レベル⇒「指導しながら仕事をする」レベルへと段階的に成長させることが初めて可能です。

 

5.自分自身を動機付け、マネジメントするということ

 

 「手段として仕事をする」のではなく、「仕事を通じて目的を達成したり価値を実現したりすること」そのものに動機付けられること、また、「他の誰かに動機付けられる」のではなく、「自ら内発的に動機付けられる」ことが重要です。

 

 また、筆者は「究極の管理は自己管理である」と考えています。筆者が携わってきた「人事マネジメント」もひとつの「管理」ですが、その究極の目的も、結局のところ『自己管理(無管理)』を達成して自らの使命を終えることです。

 

 本書で紹介した「動機付け理論」も「マネジメント」も、やがては「仕事をする(働く)」人々の「当たり前」のこととして実践され、それを通じて我々の組織や社会全体が真の「協働関係」に満たされることを、筆者は希求しています。

  

(おわり)

 

  • 協調と協働_Cooperation
  • 意思疎通_Communication
  • 誠実と勤勉_Faithful
  • 丁寧で親切な仕事_Kindness
  • 仕事のイロハ_Literacy
  • 仕事への動機付け_Motivation
  • 速さは強さ_Quick Action
  • 敬意を持って_Respect
  • 思慮深さ_Thoughtfulness
  • 仕事したくない人_X-theory

hrms-jp  人事労務マネジメント研究nou会

代表・特定社会保険労務士

河北 隆

〒270-1357

千葉県印西市牧の木戸1-7-4

mail    hrms@grace.ocn.ne.jp

一般企業や医療機関等での人事実務経験と特定社労士としての専門性に基づき、主に医療・福祉・介護分野の人事労務マネジメントを支援しています。

<資格>

特定社会保険労務士

衛生工学衛生管理者

情報処理技術者

医療労務コンサルタント

産業心理カウンセラー

概要 | プライバシーポリシー | サイトマップ
All rights reserved by hrms-jp
ログイン ログアウト | 編集
  • ホーム
  • 令和7年税制改正をふまえた税務申告と年末調整
  • 人事マネジメントのAtoZ
    • 採用ミスを防ぐには
    • 何が人と組織を成長させるか
    • 人と組織を動機付ける
    • 目標管理制度の形骸化
    • 人事評価制度の形骸化
    • 何をもって人を処遇する?
    • モラールマネジメント
    • メンタルヘルスマネジメント
    • パワハラを防ぐ
    • 退職のマネジメント
  • 基本的な仕事のしかたのAtoZ
    • 協調と協働_Cooperation
    • 意思疎通_Communication
    • 誠実と勤勉_Faithful
    • 丁寧で親切な仕事_Kindness
    • 仕事のイロハ_Literacy
    • 仕事への動機付け_Motivation
    • 速さは強さ_Quick Action
    • 敬意を持って_Respect
    • 思慮深さ_Thoughtfulness
    • 仕事したくない人_X-theory
  • 人事の悩みごと(コラム)
    • ノーレ スポンスな人たちと…
    • どっちつかず状態に耐える力
    • 相手の視点から発想できるか
    • ノーレスポンスは闇か光か?
    • マズロー欲求段階説の読替え
    • 同じコップの中でなぜ争うか
    • 寄り添うなんて余計なお世話
    • なぜ書くことが億劫なのか?
    • 省事(仕事を省く)のすすめ
    • 人はなぜ休日に「休む」のか
    • 商業主義と二次主義を排する
    • 猿に聴いて貰えるように言う
    • 悪く思わない、悪く言わない
    • 当たり前を相手に強要しない
    • コラボと言われても無理です
    • 詭弁や強弁に負けないように
    • 組織のコミュニケーション力
    • 人を動機付けることは難しい
    • 相手のほうに習慣を作り込む
    • 採用しないほうがいい人たち
    • どんな人でも三年付き合えば
    • リスペクトトレーニングって
    • ファクトとロジックとその先
    • 価値観の違いは優先度の違い
    • ちょっと困った部下への対応
    • 気付くことは教えられるか?
    • クイックレスポンスは仕事力
    • 人は何のために「働く」のか
    • 人はどこまで自分本位なのか
    • 能力と適性と意欲に応じて…
    • 我以外みな我が師と言えるか
    • 管理職が言うべきでないこと
    • 論語に学ぶ人事マネジメント
    • 組織の中は無駄と矛盾ばかり
    • 利他的な行動が選択できる人
    • マネジメントするということ
    • リーダーシップとは何なのか
    • 現在は今までの選択の結果だ
    • 人を幸福にできない社会制度
    • 日々小信を忽せにすべからず
    • アウトプットよりアウトカム
    • パワハラと注意指導の境界線
    • 時には母ごころで聴いてみる
    • 選別の論理か、育成の論理か
    • 退職や解雇が「解」なのか?
    • 毀誉褒貶は人の世の常ならむ
    • 人は「材」や「財」ではない
    • 思い悩んで書いて苦しむこと
    • 違いは決して間違いではない
    • 人はなぜ戦うのが好きなのか
    • 忙しがる人は多くを亡くす…
    • 他者肯定なしに自己肯定なし
    • 育てることは信じて待つこと
    • 働く人たちの未熟性と成長度
    • 人は変わるか、変えられるか
    • 人事が人を見る眼、育てる眼
    • 人事評価はそんなに難しいか
    • 職場を救うたった3つの習慣
    • 職場コミュニティーは幻想か
    • 前面に意を、両翼に理と情を
    • 誠実を尽くせば必ず解決する
    • ものの言い方に人格が現れる
    • 一方を聞いて沙汰すべからず
    • 自己決定と相互支援の原理…
    • 組織が人体に学ぶことは多い
    • 組織はプロジェクト型が良い
    • 困った人達は困っている人達
    • PDCAは1日1回廻すこと
    • 仕事は能力よりも習慣と方法
    • 思いて学ばず、学びて思わず
    • 働き方そのものの働き方改革
    • 言動と態度の合理的な選択を
    • 今さらながらのコーチング論
    • 人と仕事には好き嫌いがある
    • パワハラをする人とされる人
    • 働く人たちのこころを守ろう
    • 言い訳せず、人のせいにせず
    • 仕事をする上で一番大切な事
    • 誠実で勤勉であることの尊さ
    • 仕事を作業にしてはいけない
    • 協調性と協働性の微妙な違い
    • 優先順位は価値観のあらわれ
    • 仕事をする人の成長三段階説
    • 部下には指導より支援が必要
    • 時空一体に見れば解が見える
    • 人事という仕事は何だったか
    • より良く働きより良く生きる
    • 人間は天性として知っている
  • 働き方改革懇談会
    • メンタルヘルスと休復職
    • 最近のパワハラ事例に思うこと
    • 人格適応論を用いたアプローチ
    • 給与制度と給料表
    • コンフリクトマネジメント
    • 事例に学ぶ外国人雇用
    • パワハラから労災認定まで
    • 新人研修と管理職研修
    • ベア評価料と賃金制度(2)
    • ベア評価料と賃金制度(1)
  • 人事労務マネジメント様式集
閉じる