1.労働時間の把握に関する厚労省のガイドライン
(以下引用)
〇 労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たること
○ 例えば、参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間は労働時間に該当すること
○ 使用者は、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録すること
(1) 原則的な方法; 使用者が、自ら現認することにより確認すること、 タイムカード、
ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正
に記録すること
(2) やむを得ず自己申告制で労働時間を把握する場合
① 自己申告を行う労働者や、労働時間を管理する者に対しても自己申告制の適正な運
用等ガイドラインに基づく措置等について、十分な説明を行うこと
② 自己申告により把握した労働時間と、入退場記録やパソコンの使用時間等から把握
した在社時間との間に著しい乖離がある場合には実態調査を実施し、所要の労働時
間の補正をすること
③ 使用者は労働者が自己申告できる時間数の上限を設ける等適正な自己申告を阻害す
る措置を設けてはならないこと。さらに36協定の延長することができる時間数を超
えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、労
働者等において慣習的に行われていないか確認すること
○ 賃金台帳の適正な調製
使用者は、労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間、時間外労働時間数、
深夜労働時間数といった事項を適正に記入しなければならないこと
(以上引用元)
労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(厚労省)
2.給与は実働時間に対して支払う、で良いか?
① 所定時間どおりに支払うことで済むなら何の問題もありません。
② 打刻時刻どおりに支払うことでも何の問題もありません。
③ しかし、使用者(支払う側)の本音は、実働時間に応じて支払うことでしょう。
④ しかし、上記のガイドラインに従えば、拘束時間に応じて支払うのが正しい。
⑤ 支払時間との間に不合理な乖離があってはなりません。
⑥ そうすると、 打刻時刻と拘束時間や実働時間の乖離を小さくすること、
⑦ 所定時間と拘束時間や実働時間の乖離を小さくすること、
⑧ 業務効率を高めて所定時間内で成果を出してもらうことが基本であり、
⑨ 時間外労働は本人判断でなく使用者や管理者の個別の命令に基づいて行うこと、
⑩ 事前の命令が難しいなら事前の申請と承認に代えても良いし、
⑪ それも難しいなら事後速やかな申請と承認でも良い。
⑪ ただし、打刻時刻と実働・所定・拘束・支払時間との間の不合理な乖離はNG。
3.打刻時刻と実働時間・所定時間・拘束時間・支払時間との間に不合理な乖離が生じ
ないように…
① その乖離が合理的か、不合理な乖離か?
つまり、本人の自由な意思で、その乖離が生じた事情や理由を合理的に説明できるか
どうかが現実的なポイントです。
もちろん、使用者や管理者が説明できるなら良いのですが現実には無理でしょう。
② そうすると、
業務は基本的に所定時間内で行うことを原則とする
時間外労働は使用者や管理者の個別の命令に基づいて行う
業務終了後は速やかに退出することを就業規則等でルール化する
ことが必要です。
(つづく)