hrms-jp  人事労務マネジメント研究会
  • ホーム
  • 人事の七つ道具
  • より良く働くためのAtoZ
  • 人事の悩みごと(コラム)
  • 働き方改革懇談会
  • 給与計算の「裏」マニュアル

より本質的な働き方改革とは

20260524 記

 

1.「働き方改革」は「休み方改革」ではあっても「働かない改革」ではない。

 

 いわゆる「働き方改革」の意義は、ひとつには過重労働の是正=「働き過ぎ改革」(「働き過ぎ」の人のための「休み方改革」であったと思います。

 

 しかしそれは「働かない(働きたくない)」人たちのための「いかに働かないですませるか」という意味での「働かない改革」ではないはずです。

 

2.従属労働と賃金労働からの脱却こそ本質的な「働き方改革」だと思う。

 

 「働く」ということは、多くの人にとっては、法的には「被雇用労働=労務に服して(労務を提供して)(その対価としての)賃金を得る」という意味だろうと思います。

 

 しかし、そもそも人間にとって「働く(労働)とは、何らかの人間的・社会的な目的を達成したり、価値を実現するための組織的・社会的協働であるはずです。

 

 個々人にとっても「働く(労働)」ことは「賃金(生活の糧)を得る」ということを超えて、人間的・社会的に成長することであると思うのです。

 

 それはただ賃金を得るためだけのものではなく、ただ資本を増殖させるためだけのものでもなく、もっと人間的・社会的な価値を豊かにするためのものであるはずです。

 

 そうした価値が、いわゆる「賃労働と資本」の体制下で疎外されているとしたら、その克服こそが「働き方改革」のより本質的な意義だろうと思います。

 

3.せめて主体的・自律的でありたい。

 

 つまり多くの人たちにとっては、「働いている」と言うより、資本(家族やローンや将来の備え?)のために「働かされている」と言うほうが現実に近いでしょう。

 

 先ずは自分自身の働き方を、依存的・他律的な働き方から、主体的・自律的な働き方に転換しようとすることが、より健全な「働き方改革」ではないでしょうか?

 

 とは言っても自分(筆者)自身には、そのために必要な知的資本はほぼ無きに等しく、その原始的蓄積をさえ「賃労働と資本」に依存しなければならなかったのですが…。

 

働き方そのものの働き方改革

20220606 記

 

1.疎外された労働

 

 近代民法における「労働(雇用)」契約の定義は、「労務に服して賃金を得る」ことなのですが、筆者はこれほど、近代資本制下での「労働(雇用)」や「従属労働」の本質を言い当てた言葉は他にないと思います。

 

 それは単に近代民法での「雇用労働(賃労働)」という契約形態や労働形態のことを言うに過ぎないのですが、近現代に生きるわれわれの大多数がこうした「雇用労働(賃労働)」に服していることの意味はきわめて重大です。

 

 筆者には、人間や社会にとっての「労働(「働く」ということ)」の意味が、資本の下での「雇用労働」や「従属労働」に留まって良いなどとは全く思えません。それは社会の発展段階の問題としても、個人の成長段階の問題としても。

 

 それは人間や社会にとって、単に経済的な財や便益に留まらない、もっと「人間的な諸価値」を実現するための「人間相互の社会的協働」であるはずです。人間にとって「労働」が単に「労務に服して賃金を得る」ことで終わってはならないと思います。

 

<マルクス「経済学哲学草稿」(岩波文庫)より>

 

 労働の疎外は、第一に、労働が労働者にとって外的であること、すなわち、労働が労働の本質に属していないこと、そのため彼は自分の労働において肯定されないで、かえって否定され、幸福と感ぜずに不幸と感じ、自由な肉体的および精神的エネルギーがまったく発展せず、かえって彼の肉体は消耗し、彼の精神は荒廃するということである。

 

 だから労働者は、労働の外部ではじめて自己のもとにあると感じ、そして労働の中では自己の外にあると感ずる。彼の労働は自発的なものではなく、強いられたもの、強制労働である。したがって、労働は欲求を満足させるものではなく、労働以外のところで欲求を満足させるための手段にすぎない。

 

2.人間らしい労働

 

 上記のような「疎外された労働」に対置されるべき労働とは、ひと言で言うなら「人間らしい労働」ということなのだろうと思います。では「人間らしい労働」とはどのようなものなのか…

 

1)苦役や強制や隷属でないこと

 

 たとえそれが意に反した苦役や強制や隷従であっても。そうでなければ「生存」を諦めなければならないという意味での「労働」。もちろんそこから脱することが「人間らしい労働」に向けての第一歩であるという意味において。

 

2)労働(または労働力)をその主体から切り離し、売り渡すものではないこと

 

 労働(または労働力)を、あたかもひとつの商品のように労働者が自分自身から「切り離し」て資本に「売り渡す」ことが近代資本制以来の「労働」であるとするなら、そこから脱すること。労働(または労働力)は、労働者の生命および人格の活動だから。

 

3)人間や社会の価値を実現するものであること

 

 例えば「平和・自由・幸福」や「真・善・美」という価値の実現のために働く人たちは数多く、その恩恵は多大です。働く人にとっての価値が同時に人や社会の価値であるような労働。

 

4)人間や社会の成長につながっていること

  

 個人について見れば例えば労働の質や能力の向上、自律性や自立性の獲得、労働によって実現される価値の増大。併せて職業人・社会人としての精神性や人格性の向上。組織的・社会的な協働性の高度化。

 

5)働く人たちの社会的協働であること

 

 お互いに切り離された作業としての分業でなく、ひとりの最適なOUTPUTがもうひとりの最適なINPUTとなって連鎖しあい、組織や社会の価値を実現する力として繋がりあい支えあい、個人の労働が社会の価値として実現されるような協働。

 

<追記事項:「働きすぎ」の生物学的考察>

 

 「働きアリ」や「働きバチ」の世界にも「働きすぎ」があるのでしょうか…。生物の場合は「食う」ことと「働く」ことがほぼ同義であって、アリやハチは、決して「働きすぎ」=「食いすぎ」にはならないだろうと思います。

 

 もしアリやハチが「働きすぎ」てしまったら、そのアリやハチやそのコロニーは滅んでしまうような気がします。「働きすぎ」が一番怖いのは、「働きすぎて働けなくなってしまう」ことだと思います。

 

<組織に依存しない働き方改革>

 

  多くの働く人たちにとって「働く」ということの意味は、「労務に服して賃金を得る」という近代資本制のもとでの「賃労働」を超えるものではないように思います。もちろん筆者はそのこと自体を否定するつもりはないのですが…。

 

 自分自身の「生き方」「働き方」を考える場合に「労務に服して賃金を得る」という働き方に留まることが「働き方改革」だとは到底思えないし、「組織」や「指揮命令(他律)に服して」賃金を得ることが限界だとは全く思えません。

 

 むしろ、労務に服し、組織に服し、他律に服することから脱却しようとすることこそが「生き方」と同じレベルで言う「働き方」改革のエネルギー源ではないかと思うのです。もっと自律的に、もっと人間らしく働こうとすること…。

 

 それに連れて、実は働く人たちの「組織」のあり方も変わってくる。もっと自律的・人間的・社会的な働き方や、そうした働く人たちや、ともに生きるひとたちのコミュニティーの創生こそが「働き方改革」の本質だと思うのです。

  • より本質的な働き方改革とは
  • 人を成長させない職業はない
  • 信頼関係よりも先ず意思疎通
  • コミュニケーションの七つ癖
  • ノーレスポンスの心理と論理
  • メールの使い方は仕事の仕方
  • 相手の脳裡に絵を描くように
  • 聴くだけで解けることがある
  • ものの言い方に人格が現れる
  • 第一感と微表情で分かること
  • 相手の側に習慣をつくりこむ
  • 組織はできることの持ち寄り
  • 組織であるがゆえの悩みごと
  • 職場コミュニティーは幻想か
  • 何もせず何もできない管理職
  • たったひとりが組織を止める
  • 謝らなくて良いから実行せよ
  • 目標管理になじまない人たち
  • 人事評価はそんなに難しいか
  • 人を通じて仕事をする難しさ
  • 人を動機付けることは難しい
  • 仕事は能力よりも習慣の問題
  • コンプレックスは退行反応か
  • 自己肯定は自己成長の障壁か
  • 採用しないほうがいい人たち
  • 利他的な行動が選択できる人
  • 人はなぜ戦うのが好きなのか
  • 違いは決して間違いではない
  • 働く人たちの未熟性と成長度
  • 育てることは信じて待つこと
  • 気付くことは教えられるか?
  • 思っては悩み、書いて苦しむ
  • 商業主義と二次主義を排する
  • 前面に意を、両翼に理と情を
  • 言い訳せず、人のせいにせず
  • 困った人達は困っている人達
  • パワハラをする人とされる人
  • 協調性と協働性の微妙な違い
  • 客観的に合理的な言動の選択
  • 仕事をする上で一番大切な事
  • 誠実で勤勉であることの尊さ
  • 時空一体に観れば全て解ける
  • 人間は天性として知っている
  • 人はこの世に修行に来ただけ

特定社会保険労務士 河北隆事務所

代表 河北 隆

〒270-1357

千葉県印西市牧の木戸1-7-4

hrms-jp 人事労務マネジメント研究会を主宰しています。

一般企業や医療機関等での人事実務経験と特定社労士としての専門性に基づき、主に医療・福祉・介護・サービス事業の人事労務マネジメントを支援しています。

給与計算・社会保険から個別労務問題まで、何なりとお気軽にご相談ください。

<資格>

特定社会保険労務士

衛生工学衛生管理者

情報処理技術者

医療労務コンサルタント

産業心理カウンセラー

概要 | プライバシーポリシー | サイトマップ
All rights reserved by hrms-jp
ログイン ログアウト | 編集
  • ホーム
  • 人事の七つ道具
    • 人事の七つ道具・様式集
    • こういう面接をしてはならない
    • 人と組織が成長するとは
    • 目標管理制度の形骸化
    • 人事評価制度の形骸化
    • 何をもって人を処遇する?
    • 報酬設計
    • モラールマネジメント
    • メンタルヘルスマネジメント
    • パワハラを防ぐ
    • 組織の方向付け
    • 退職のマネジメント
  • より良く働くためのAtoZ
    • 仕事の能力_Ability
    • 仕事の適性_Behavior
    • 言うより伝える_Communication
    • より良い明日_Development
    • 自己育成_Education
    • 誠実と勤勉_Faithful
    • 和顔愛語_Gently Speaking
    • 人間関係力_Human Relation
    • 想像力_Imagination
    • 巧遅より拙速_Just on Time
    • 丁寧で親切な仕事_Kindness
    • 仕事のイロハ_Literacy
    • 仕事への動機付け_Motivation
    • リーダーとは_Noblesse Oblege
    • 目標を持って_Objectives
    • PDCAとQCD_PDCA&QCD
    • 報告・連絡・相談_Report to
    • 仕事は「解決」_Solution
    • 思慮深さ_Thoughtfulness
    • 独自性と協働性_Unique
    • 働く価値_Value
    • こころの健康_Work Life Balance
    • 仕事したくない人_X-theory
    • 仕事したい人_Y-theory
    • 一緒に働く人たちへ_Z-theory
  • 人事の悩みごと(コラム)
    • より本質的な働き方改革とは
    • 人を成長させない職業はない
    • 信頼関係よりも先ず意思疎通
    • コミュニケーションの七つ癖
    • ノーレスポンスの心理と論理
    • メールの使い方は仕事の仕方
    • 相手の脳裡に絵を描くように
    • 聴くだけで解けることがある
    • ものの言い方に人格が現れる
    • 第一感と微表情で分かること
    • 相手の側に習慣をつくりこむ
    • 組織はできることの持ち寄り
    • 組織であるがゆえの悩みごと
    • 職場コミュニティーは幻想か
    • 何もせず何もできない管理職
    • たったひとりが組織を止める
    • 謝らなくて良いから実行せよ
    • 目標管理になじまない人たち
    • 人事評価はそんなに難しいか
    • 人を通じて仕事をする難しさ
    • 人を動機付けることは難しい
    • 仕事は能力よりも習慣の問題
    • コンプレックスは退行反応か
    • 自己肯定は自己成長の障壁か
    • 採用しないほうがいい人たち
    • 利他的な行動が選択できる人
    • 人はなぜ戦うのが好きなのか
    • 違いは決して間違いではない
    • 働く人たちの未熟性と成長度
    • 育てることは信じて待つこと
    • 気付くことは教えられるか?
    • 思っては悩み、書いて苦しむ
    • 商業主義と二次主義を排する
    • 前面に意を、両翼に理と情を
    • 言い訳せず、人のせいにせず
    • 困った人達は困っている人達
    • パワハラをする人とされる人
    • 協調性と協働性の微妙な違い
    • 客観的に合理的な言動の選択
    • 仕事をする上で一番大切な事
    • 誠実で勤勉であることの尊さ
    • 時空一体に観れば全て解ける
    • 人間は天性として知っている
    • 人はこの世に修行に来ただけ
  • 働き方改革懇談会
    • 定年後起業8年間の振り返り
    • 問題職員の問題は問題職場の問題
    • マネジメントから見た給与計算
    • 人事労務が心理学に学んだこと
    • 愛着障害とは
    • 医療機関のダウンサイジング
    • 産業臨床に活かすトラウマケア
    • メンタルヘルスと休復職
    • 最近のパワハラ事例に思うこと
    • 人格適応論を用いたアプローチ
    • 育児介護休業規程の改正案
    • 私の人間観・人事労務観
    • マネープランどうする
    • コンフリクトマネジメント
    • サイバーセキュリティー
    • 事例に学ぶ外国人雇用
    • さあどうする病院経営
    • パワハラから労災認定まで
    • 定年後の働き方改革
    • 新人研修と管理職研修
    • 同一労働同一賃金これから
    • 人事労務カウンセリング
    • 休暇のマネジメント
    • メンタル休復職者のリワーク
    • 自閉症等障害者への社会支援
    • 2040年を見据えた病院経営
    • お金の教育で企業を成長…
    • パワハラ・メンタル・休復職
    • 働き方改革は余計なお世話?
    • 外国人就労者の実態と課題
    • 人事を通じた人の見方見え方
    • メンタル不調者の採用~退職
    • 合理的配慮について
    • 人事労務にカウンセリングを
    • 今さらながらの就業規則
    • 一緒に働く、ということ
    • 医療従事者のメンタルヘルス
    • 業績UPにパワハラ対策
    • 今さら聞けない病院経営
    • 労働法と民事法の接点から
    • 職場の中の困った人たち
    • 看護職・補助職の定着と確保
    • 発達障害的な部下を持ったら
    • 精神疾患の労働災害
    • 医療人としての生き方…
    • 問題職員と解雇問題
    • 医療機関の外国人雇用
    • 働き方にかかわる発達障害
    • 最低賃金と同一賃金
    • 医療従事者のメンタルヘルス
    • 医師の宿日直制の許可を得る
    • 休復職制度の対話的運用
    • パワハラ問題への法的対応
    • 医療機関の健康経営
    • 採用に強い病院になる
    • 病院の目標管理と人事評価
  • 給与計算の「裏」マニュアル
    • 給与計算業務管理のポイント
    • 給与計算の基本的な仕組み
    • 給与制度と給料表
    • 標準報酬改定の困りごと
    • タイムレコーダーと労働時間
    • 汎用賃金台帳のすすめ
    • システムの選び方と使い方
    • 年末調整のしかた
閉じる