20230707 更新
マネジメントに必要な機能を7つに絞れば以下のとおりだと筆者は思います。
① 判断と選択
マネジメントの仕事の第一は「判断」です。何をどうすべきかを「判断」して「選択」することです。適時的確な「判断」や「選択」にこそマネジメントの価値があります。有限な諸資源(カネ・モノ・時間)の配分も判断と選択の問題です。
② 方向付け
第二は、「判断」と「選択」の方向を「指し示す」ことです。「方針」や「指針」や、実現すべき「価値」を、分かり易い言葉で指し示すことです。船長が船の進路を指し示すのと同じです。
③ 動機付け
第三は、①と②で選び、指示した価値の実現に向けて、「人」を「動機付ける(その気にさせる)」ことです。上から外から押し付けたりせず、その「人」の内心から動機付けることです。
④ 意思疎通
第四は、「人」との意思疎通(コミュニケーション)を通じて①の判断と選択、②の方向づけ、③の動機付けをすることです。コミュニケーションの力を通じて「人」に働きかけ、方向付けと動機付けを引き出すことです。
⑤ 成長促進
第五は、「人」の成長を促進することです。その「人」の内心から「もっとこうしたい」「もっとこうありたい」という動機付けを引き出し、その実現や成長を後押しすることです。
⑥ T&PDCA
第六は、PDCAを廻すことです。先ずはT(ターゲット=実現すべき状態や価値)を定めて、その計画(時期や方法や手順)を示し、それを実行し、計画と実行の差分を観測し、その原因を評価し、実行にフィードバックをかけることです。
⑦ 組織承継
第七は、「自分がいなくても他人と組織が自主的・自律的に動く」ようにすることです。特定の「人」に依存し過ぎてはなりません。また「次世代のリーダーを見出して組織の将来を託す」ことです。
20230417 追記
マネジメントの中で最も重要な課題のひとつは「不満のマネジメント」だと思います。極端な言い方ですが、「民衆の不満は革命のエネルギー源」だからです。だからといってこれに迎合するばかりではマネジメントは成り立ちません…。
20230515 追記
「一見相矛盾することを高次元で同時実現すること」がマネジメントだと思います。たとえば「仕事の価値」と「仕事の価格」はしばしば相矛盾するだろうと思いますが、そこを何とかして、そこから「最適解」を導き出すことだと思います。
20230403 記
1.巷間さかんにリーダーシップやマネジメントを謂う
企業の採用選考に関するある所説によれば、新卒新人の採用選考の主要指標のひとつを「リーダーシップ」や「マネジメント力」とすべし、とのことで、筆者などはその選に遠く及ばないと恐れ入った次第です。
では「リーダーシップ」や「マネジメント」とはいったい何なのか、また、具体的にどういう言動や態度からその人のリーダーシップやマネジメント力のほどを推定することができるのかは、必ずしも明確でないのが残念ですが…。
2.筆者が思うリーダーシップやマネジメント力とは…
1)「そこを何とかすること」
「マネジメント」の意味のひとつは、「そこを何とかすること」であり「やりくり算段すること」だと、筆者は思います。分かり易い例で言えば、「予算管理(家計で言えば家計のやりくり)」です。
2)「やりくり算段すること」
限られた予算でどうすれば最大の効用が得られるかを常に考案・工夫・実行するのが「予算管理(家計のやりくり)」であって、単に数字やお金の出し入れを計算するのは予算の計算ではあっても、予算の管理とは言えません。
3)人と組織を通じて価値を実現すること
下掲資料をご参照下さい。
<追記事項>アウトプットよりもアウトカム
1.「努力が報われる」とは限らない
医療機関で働く人たちは概ね社会的使命感に動機付けられた人たちが多いと思いますが、同時に「努力(頑張り、献身、自己犠牲…)が報われない」という不満を抱く人も少なくないようです。
しかし「努力が(そのまま)報われる」ほど、残念ながら現実はシンプルではない、と思います。「努力(アウトプット)」と「報い(アウトカム)」との間には、もっといくつもの「中間項(条件や変数)」があるのです。
2.「何をしたか」が成果ではなく、「どうなったか」が成果
「何をしたか」は「アウトプット」であり、その結果「どうなったか」が「アウトカム」です。ラブレターの山がアウトプットであり、それが相手の愛を獲得できたかどうかがアウトカムです。
自分だけではなく相手がいるし、それをとりまく人たちがいる。独りよがりのアウトプットをいくら積み重ねても、それを人間関係の中に置いてみて、その人間関係に上手く働きかけないと、決して良いアウトカムにはつながりません、