1.気付く人と気付かない人
おそらく読者の皆さんも同じ感じをお持ちだろうと思いますが、仕事上のやりとりをしていると、何ごとにも良く気付き、理解や配慮や協力を惜しまない人と、必ずしもそうでない人がいます。
メールのやりとりの例で言えば、必要十分な情報を提供してくれる人とそうでない人、何ごともほとんど常にクイックレスポンスの人と何ごともほとんど常にノーレスポンスの人…見やすい・扱いやすい配慮のある人とそうでない人…
要するに自分の利便や都合より相手の利便や都合に多くの配慮が出来る人とそうでない人との違いでしょうか。あと少しずつ、お互いに、相手の事情への理解や配慮や協力の幅を広げさえすれば、どんなにか仕事がしやすいでしょうに…
2.相手や自分の感情に気付く人とそうでない人
とくに「パワハラ」を起こしやすい人の中には、自分の「正義感情」が強く、相手の「被害感情」に気付かずにそれを上回ってしまう人が多いのではないでしょうか?(別コラム_「パワハラする側の心理」参照)
人間は理性の動物であるとともに感情の動物ですので、論理が通っても情理が通らないことも多く、自分と相手の感情に気付き、それらといかに「上手に付き合う」ことが、良好な人間関係の鍵でしょう。
コミュニケーションにおいても最も重要なことは、相手の感情に気付くこと(想像的・共感的な傾聴)であり、相手からの親近感や信頼感をいかに引き出すかです。
3.自ら気付き、改めてもらうには?
基本的な仕事のしかたでも、コミュニケーションにおいても、ハラスメント問題でも、おそらくティーチングやトレーニングでなく、カウンセリングとコーチングによる自己認識と自己制御の促進と支援が必要だろうと思います。
大事なことは、相手や自分の感情や事情に「自らその場で気付く」ことができるよう、さらに進んで、「自らその場で改める」ことができるよう、コーチングやカウンセリングによって促進し、支援することです。
どんな「仕事」にも「相手」があるはずです。常に「相手」の視点・発想・配慮」を欠かさないよう、その場その場でコーチングやカウンセリングによって部下の自己認識と自己改善を促進し、支援することが上司の務めです。