Q_年次有給休暇を半日取得した当日の時間外勤務の取り扱いについて疑義があります。
A_ご存じの通り、法定の割増賃金の対象となる労働時間は、法定労働時間( 1日8時間・1週40時間)を超えて労働させた時間、法定深夜時間(午後10時から翌朝5時)、法定休日(1週1回または4週4回)に労働させた時間です。
法定の割増賃金は、実働時間が法定の労働時間を超えた場合に支給されるべきものであって、遅刻や早退や私用外出等の不就業時間は、本来、実働時間から除外されるべきです。このことは、例えば年次有給休暇を半日取得した場合でも同じです。
年次有給休暇は労働者の当然の権利ですので、事業主としては「通常の賃金」を補償しなければなりませんが、法令はそれを「実働時間と同一視する」ことまで求めているわけではありません。
例えば所定労働時間が9:00から17:00の8時間(休憩1時間)で、午前休を取得したのち13:00から19:00まで実働した場合、当日の実働時間6時間ですから、17:00から19:00までの労働には割増賃金の支払いは不要です。
ただし、就業規則や給与規程において、労働外労働が、上記のとおり「法定労働時間外」の労働時間として規定されず、「所定労働時間外」(または「所定就業時間帯以外」の労働時間)として規定されている場合は、規定通りの取扱いを行って下さい。